内容説明
ほんとうの居場所を見つけようとして、私は恋をする。『あなたのそばで』『きみの歌が聞きたい』で新世代の恋愛小説を切り拓いた著者初の短編集。幸せな予感に満ちあふれた表題作を含む、色鮮やかな恋の物語。
著者等紹介
野中柊［ノナカヒイラギ］
１９６４年生まれ。立教大学卒業後、渡米。ニューヨーク州在住中の９１年「ヨモギ・アイス」で海燕新人文学賞を受賞してデビュー（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tokotoko
50
とても装丁の美しい本です。６つのお話は、どれもこれもフワフワのシェルターのよう。ちょっぴりゆっくりめに、入ってきてね！甘すぎたりするものもありますが・・・フワフワなので、一瞬です。出てきた後、もしかしたら、心のカサカサやトゲトゲがちょっぴり柔らかくなって、お腹も減って、甘～いお菓子とか、何かお料理の材料でも、買いに行こうかなぁー！！って思うかもしれません。2015/11/08
ぶんこ
50
6編の色々な恋。 切ない中にも温もりや希望が垣間見える作品が多く「銀の糸」の姉妹と猫のクロエ、「メトロノーム」の藍子さんのさり気なくもサッパリとした気性、「祝福」の祐介の優しさがキュンときました。 ハラハラドキドキの展開はありませんが、ゆったりした夕暮れの感じのする、素敵なひと時を味わえました。2015/09/17
horihori【レビューがたまって追っつかない】
36
恋する気持ちを祝福し慈しむような短編小説6編｡今までとは少し違って､大人の恋愛が描かれていた｡表紙のイメージなキラキラではなく､しっとりとした感じ｡それぞれの短編には印象的な食べ物が出てくる｡｢しゃぼん｣のイチゴのパフェ｢セカンドハウス」の生レモンと蜂蜜で作るレモネード「銀の糸」の手作り餃子「遊園地」の色とりどりのジェリービーンズ「メトロノーム」の高級果物屋さんの桃「祝福」の美味しい白ワイン｡なんだかそれぞれの話の味みたいな気がした。「銀の糸」が好き。運命ではなく、自分でつなぐ糸。こんな糸は大切にしたい。2007/12/11
エンリケ
36
大人の恋を描く短編集。激情に身を任す様な事も無く、登場人物達は淡白な印象。いや、それはこの作者の作風のせいか。どこか醒めた視線で出会いも別れも描かれるが、それが丁度良い加減。でも内面の葛藤は津々と染みてくる。束の間の恋を描くお話も有る。それは気持ちよりも体が欲した関係かもしれない。後を追う様に募る交情。この作者さんは、やや斜に構えているがドラマの根元は求めずには居られないパートナーの存在。どうしても心が、そして体が求めてしまう。女性特有の生々しい性描写にはやや辟易としたが、総じて好印象のお話ばかりだった。2018/03/08
はる
31
こちらの野中柊さんも何度読んでも好き。 これ読んで昔好きな人とベッドで朝ごはん食べたの昨日のことのように思い出せるな。笑 こうやって、物語に思い出を馳せる時間も好き。2020/05/27
