ナラタージュ

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  • サイズ B6判/ページ数 373p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048735902
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

●あらすじ
大学2年生の春、泉に高校の演劇部の葉山先生から電話がかかってくる。高校時代、片思いをしていた先生の電話に泉は思わずときめく。だが、用件は後輩のために卒業公演に参加してくれないか、という誘いだった。「それだけですか?」という問いにしばらく間があいた。
「ひさしぶりに君とゆっくり話がしたいと思ったんだ」
高校卒業時に打ち明けられた先生の過去の大きな秘密。抑えなくてはならない気持ちとわかっていながら、一年ぶりに再会し、部活の練習を重ねるうちに先生への想いが募っていく・・・。

不器用だからこそ、ただ純粋で激しく狂おしい恋愛小説。

内容説明

壊れるまでに張りつめた気持ち。ごまかすことも、そらすこともできない―二十歳の恋。これからもずっと同じ痛みを繰り返し、その苦しさと引き換えに帰ることができるのだろう。あの薄暗かった雨の廊下に。野間文芸新人賞を最年少で受賞した若手実力派による初の書き下ろし長編。

著者等紹介

島本理生[シマモトリオ]
1983年東京生まれ。立教大学文学部在学。1998年初めて応募した『ヨル』で「鳩よ!」掌編小説コンクール第2期10月号当選、年間MVPを受賞。2001年『シルエット』で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。2003年都立高校在学中に『リトル・バイ・リトル』が第128回芥川賞候補となり、大きな話題を呼ぶ。同年、第25回野間文芸新人賞を最年少で受賞。2004年、『生まれる森』(「群像」2003年10月号)が第130回芥川賞候補となる。思春期の繊細な感情や心の痛みを鮮やかに表現し、10代・20代の読者からの支持も高い
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

美紀ちゃん

229
再読。 葉山先生はずるい。 泉のことが好きなのに。 辛い。 お互いに好きでも、一緒になれないことって、あるのだなぁと思った。 恋愛の苦しさとか、複雑な感情とか、人には説明できない程の想いとか。 そういう島本理生さんの描写が好き。2021/05/17

優愛

136
「また、ほかの誰かをこの人しかいないと信じて好きになる」好きよりはもっと深い感情の行き場を知らない、泉と葉山先生。心とは裏腹に鮮明になる思いに正直になる泉に対して葉山先生はずるい。君に傍にいてほしかったなんてたくさんの甘い言葉で引き留めて応えてはくれないのだから。最後に抱き合った二人が見たのはお互いの存在しない、別の誰かがいる幸せな未来。それを願いつつも「お願いだから私を壊して」そう思ってしまう泉はきっとまた恋をする度に優しすぎた葉山先生を思い出すんだろう。愛してるを愛してたって一人になるのが一番苦しい。2014/12/02

げんちゃん

133
島本理生さん2作目。私も主人公の泉みたいに先生の事が今好きだからなんか少し共感出来る部分がありました。なんかこう言う事言っちゃいけないけれど主人公は葉山先生みたいな感じの雰囲気と言いますか自分だけの特別感みたいな2人の仲の良さに羨ましさを感じてしまいました。でも葉山先生と泉のその後の関係は読んでもらえば分かりますが、最後のシーンで2人は一生心に残る痛みみたいなのを抱えてしまってそれが読んでいて切なかったです。もしも泉と葉山先生のような感じになってしまったら絶対先生にはそのような切ない思いにさせたくないです2020/02/22

mocha

121
こんなに直球の恋愛ものを読んだのは久しぶり。好きな人の一挙一動に揺れる二十歳の心をひりひりする思いで見守った。先生の優しさに甘えやずるさも感じてしまう。そして、プライドと嫉妬で歪んでいく男性が哀しい。言葉やリズムにわずかも引っかかるところがなくて、文字を追ってることを忘れてしまうほど心地良い文章だった。2017/12/14

おくちゃん🌸柳緑花紅

116
社会人になった主人公からあの特別な日々と特別な人との特別な思い出を文章で聞かせてもらった。なんて清潔で美しい文章、言葉選びの抜群のセンス、胸に迫るフレーズ、究極の愛、私はストーリーよりもこのストーリーを書き上げた島本理生さんという作家に心を鷲掴みにされた。2017/08/08

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