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温室デイズ

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  • サイズ B6判/ページ数 203p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048735834
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

教室に紙飛行機が飛びはじめる。始まりの合図だ。もうすぐ崩れだす。でも、教師はまだ気づかない。日本の平和ボケは、学校の場でも存分に発揮されている。生温い方法では、もう追いつかなくなってしまうのだ。「今なら、なんとかなるはずだよ」。私は祈るような気持ちで崩れていく学校を見ていた…。この温室のどこかに、出口はあるのだろうか―。ふたりの少女が起こした、小さな優しい奇跡。ひりひりと痛くて、じんじんと心に沁みる。『幸福な食卓』の気鋭が贈る、とびきりの青春小説。

著者等紹介

瀬尾まいこ[セオマイコ]
1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。2001年「卵の緒」で坊っちゃん文学賞大賞を受賞。翌年単行本『卵の緒』でデビュー。05年『幸福な食卓』で吉川英治文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優愛

240
中学生の頃、気を遣うあまり曖昧な答えしか口に出来なかった毎日が息苦しかった。暗黙のルールに目を瞑る自分が情けなくて、素の自分では生きていけない学校という小さな世界が嫌になった。強いなんて言わないで。悪口なんて聞きたくない。平凡な学校生活を望むことはどうしてこんなにも叶わないの。人を傷つける悪意は、物を壊す勇気は簡単に生まれるくせに。温室のような生温い場所で3年間の月日を経て今の私がいることにはきっと意味がある。そう信じているから。だから言えるよ、同じ環境で育ち共に歩んだクラスメイトに心からのありがとうを。2015/02/23

おしゃべりメガネ

209
瀬尾まいこさん強化期間第6弾。ずばり「イジメ」がテーマです。そのテーマに一歩進んで読み始めるか、一歩下がって敬遠?するかですが、読む年代(年頃)や環境によって、まったく捉え方は様々に変化すると思われます。今まで読んできた瀬尾さん作品の中でも、かなり異色の内容でちょっとしたルポやドキュメントを思わせる仕上がりです。これまで‘ほっこり’や‘ゆったり’な世界に浸っていましたが、今作はかなり‘シリアス‘です。杓子定規な大人(親、教師etc.)や悩み多き子供たちに是非読んで『支配からの卒業』を目指してほしいです。2013/09/28

にいにい

190
瀬尾まいこさんの学級・学校崩壊、イジメをテーマにした作品。他の瀬尾さんの作品の様に良い人ばかり出てくる訳ではなく重く、やや異色。読み進めるか敬遠するかは、読む人の経験、環境また年代によって異なるかもしれない。小・中学校の現状報告といった内容。イジメのある学級に通い続けるみちる。登校拒否等へ避難しながら変革を試みた優子。分かっているがなかなか変われない瞬。表面ばかりであてにならない親や教師。でも、最後は明るい温かさが垣間見える。是非苦悩する学生や教師・親に読んで貰いたい作品。斉藤君や吉川講師が良いキャラ。2013/12/23

めろんラブ 

188
「学校って温室だよね」なんて言うのは、決まってかつての子供たち。風通しの悪い密室は、生き物の成長を促すのか、腐敗を助長するのか・・・。猛暑に辟易としようとも、極寒に息が止まりそうになろうとも、外の風に当たってみようか。それとも温室に適応する努力を続けようか。いずれを選ぼうと、畢竟、時は過ぎて行く。気づけば皆サバイバー=「かつての子供」になっている。いろんな事を忘れたり、忘れられなかったりしながら。2009/12/28

takaC

162
あらら?そんな終わり方ですか。となると「ふたりの少女が起こした、小さな優しい奇跡」とは何なのだろうか?哲学的なのだろうか?2012/06/02

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