内容説明
能楽界最大流派・観月流を襲ぐ美貌の能楽師・観月鏡花。艶かしくも美しい彼を求めて、嫉妬と欲望渦巻く男たちの狂宴が始まる―。甘美な官能の世界を描いた禁断の愛の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こんがりモード
6
真木末恐ろしい…… 明煌びいきなので是非頑張ってほしいなと思いますけど、いずれ簡単に潰されちゃいそうです。その時鏡花の想いはどうなるのかなと考えると、しかし案外真木は鏡花のために動いているだけなのかもって気もしてきます。美麗すぎる文章に贅沢な時間を頂けて感謝です。2015/08/14
yuuuming
6
何年も前から気になってて、でも絶版で…と諦め続けてたんですが、これだけ読みたいと思い続けているのならと密林で購入。あきらはしのぶを手に入れた…というように終わっているけれども、やっぱりしのぶと間木とのつながりが気になる。間木が本気を出せばそうとわからないようにあきらをあっさり遠ざけることができるだろうし。しのぶも『アレキサンドライト』のシュリルもひたすら受身なところが似ているけれども、しのぶの心がほぐれることはなくて、そこが大きな違いだな。読後感のよさにも影響が大きい。2011/12/23
みっくん
4
BLファン、もしくは山藍氏のファン以外は読まない方がいいと言うか、読んでもあまり残るものがないのじゃなないか、と思います。 とあるブログで山藍氏の作品は、BLというものではなくて、女性向けの官能小説、ロマン小説なんだ、という主張がありましたが、確かにそれが一番しっくり来る評価かもしれません。2013/12/08
響谷
3
借り物。2015/03/11
ゆりこ
3
中扉の鏡花が美麗です。花夜叉の続き、観月流を支援する愛人等とその周囲の愛憎関係に弄ばれる篠芙。SM小説として読んでも責めのバリエーションに驚きます。そしてどんなに鬼畜な行いも描写が美しいですね。絵巻物を見てるよう(山藍節に麻痺してるかも!)芸道こそ至上でそのためなら禁忌も道徳も厭わない。そんな鬼達の所業にあっても篠芙には聖なる美、清らかさが在り続けます。泥の中にあって泥に染まらない。強くしなやか。名前通りの人なんですよね。2012/03/27