さよなら

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048734776
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

95歳の独居老人、「ひいじい」こと、佐藤嘉兵衛。つつましくも穏やかな日々をおくっていたが、事故がもとで寝たきりになり、孤独のうちに飢え死にしてしまう。しかし、どういうわけか、「こころ」だけが生き残ってしまったのだ。この世に未練はなかったはずなのに―。「からだ」はなくて、「こころ」だけ。でも、どうしても、愛する人を守りたい。

著者等紹介

森青花[モリセイカ]
1958年福岡県生まれ。京都大学文学部独文科卒業。99年『BH85』で第11回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。現在、京都市在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

miroku

25
心優しき幽霊たちに乾杯。森青花作品をもっと読みたい♪2015/03/24

ガミ

16
一度「死んだ」佐藤嘉兵衛(かへえ)が、餓死後に「こころ」として現代に残りながら、自分と向き合い、生死問わず身近にいる人と関わっていく「死」をテーマにしたファンタジーです。作中で8人亡くなるため「死」を軽率に扱っている印象を前半に持ちました。ですが、後半では介護施設のタイムリーな問題(作品は平成15年発行)を通じて、人を雑に扱うことへの不快感を持ち、人がいかに大切な存在であるかを改めて考えさせられました。嘉兵衛の息子夫婦の言動もそうですが、物語の前半・後半で内容の深さが大きく変わってくる作品だと思いました。2016/03/20

ばいきんまん

9
皆さんの感想は「うーん(´-ω-`)」と言うのが多いのだけれど、私はこれすごく好きだった!表紙と表題だけ見ると、どんな暗い話なのだろう?恋人たちのどろどろの別れ話?未熟な自分との決別?など勝手に想像したのだが、読み始めると「喜劇か?みんなあっさりしすぎやろ!」という感じで(語弊があるかもしれないが)面白かった。ひいじいが秋子さんのために奔走する章はもどかしく、実際の老人ホームではあんな事がないと信じたい。ひいじいと息子夫婦は成仏する前に歩み寄れてよかったな。死をきっかけにというのが皮肉だけれど。2013/04/01

スノーシェルター

8
自分や自分の大切な人が死んでしまったら...?と考える。いろんな「さよなら」があるけれど、心残りの無いように生きたい。嘉兵衛のように死んでからの方が幸せなんて切なすぎる。でも生きているから見えないことは、いっぱいある。2011/11/14

あかいろ

5
死を扱っているのに、さっぱりとしたファンタジー。川上弘美の書評集を読んで気になっていた。絶対にあり得ない設定を素で演じているように見える登場人物たち。なのに時折入る冷静かつ現実的な視点。人の命の扱いが雑(と言うべきか)なのに、人と人との繋がりを作品を通して重視し続けるアンバランスさ。しかしそこに惹きつけられる。現実には死後に「特別のボーナス」のような期間は無い。ならば、生きている間にどうするか?そう 考えさせられる作品でした。2015/03/31

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