内容説明
東京近郊で発生した小学生誘拐事件。父親の勤務先に身代金要求を告げるメールが届けられた。不可解なことに、要求金額はわずか200万円でしかなかった。そんな中、事件が起こった町内に住む富樫修は、ある疑惑に取り憑かれる。小学校6年生の息子・雄介が事件に何らかの関わりを持っているのではないかと。そのとき、父のとった行動は…。既存のミステリを超越した、崩壊と再生を描く、衝撃の問題作。
著者等紹介
歌野晶午[ウタノショウゴ]
1961年千葉県生まれ。東京農工大学農学部環境保護学科卒。’88年『長い家の殺人』で推理作家としてデビュー
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感想・レビュー
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takaC
84
話の終わりはやっぱり腑に落ちない。まだまだ修行が足りないのか。2016/06/12
クリママ
46
もし、自分の息子が殺人を犯していたら。薬丸岳「Aではない君と」に類するシビアな物語か。読み進めると意味がわかる見出しもなかなかいい。が、中盤でアレ?になる。様々な状況を想定した父親の妄想。妄想だから仕方ないのだけれど、わかっていないことまで決定されている。違和感が先に立ち、ちょっとついていけない。あまり好きではなかった。2019/10/11
choco
42
ちょっと!ちょっと!歌野さん?散々父親の妄想に振り回されて疲れたよー。でも結末が気になって止められなかったのに??ラストどうなるわけですか⁈ あー、パンドラの箱。怖い。2016/03/03
jima
29
え?これで終わり?いろいろと想像させられる。カオスの箱の中で逃げ出さずに一つだけ残った希望の話、また、人はなぜ人を殺してはいけないのかという問い。心に残る。「なぜゴキブリは殺していいの?ニワトリは?人の命とニワトリの命の違いは何?」2015/10/11
Kaz
20
再再読。父の妄想で話が二転三転四転五転。初めに読んだ時に凄いインパクトがあり、数年ぶりに読んで、大体のストーリーも知っていたのに楽しめました。いろんなパターンを提示されますが、その全てに「息子>父親」の構図があるのが特徴。なぜこんなに息子に対し弱腰なのか、全く理解ができません。事実は結局闇の中ですが、塾を勝手にやめているのは事実なので、そのことだけでも十分叱るに値します。放置するなどありえません。世の父親はこんなもんなのか?2013/09/09