ハルビン・カフェ

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  • サイズ B6判/ページ数 382p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784048733489
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

福井県の西端にある、海市(=蜃気楼の意味)という、いささかロマンチックな名前を与えられた新興の港湾都市。凶悪犯罪の多発により、警官の殉職率が東京をはるかに凌駕するレベルに達したとき、それが熱病を呼んだ。市警察の下級警官の一部が地下組織をつくり、マフィアに報復テロルを宣言して、法の番人自らが法秩序を脅威にさらしたのである。―彼らは、『P』と呼ばれた。打海文三が真価を発揮した最高傑作渾身の書き下ろし1001枚。

内容説明

福井県の西端にある、海市(=蜃気楼の意味)という、いささかロマンチックな名前を与えられた新興の港湾都市。凶悪犯罪の多発により、警官の殉職率が東京をはるかに凌駕するレベルに達したとき、それが熱病を呼んだ。市警察の下級警官の一部が地下組織をつくり、マフィアに報復テロルを宣言して、法の番人自らが法秩序を脅威にさらしたのである。―彼らは、『P』と呼ばれた。打海文三が真価を発揮した最高傑作渾身の書き下ろし1000枚。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キク

50
「『目には目を』を続けたら、世界には盲人しかいなくなる」というガンジーの言葉を思い出した。中韓系マフィアが台頭し、仲間が殉職していくことに対して報復テロを決意したノンキャリの警官達。その熱狂は県警幹部の暗殺で最高潮を迎える。出てくる組織がマフィア、テロ組織、公安、監察、刑事課なので、様々な策略が入り乱れ、そこに希望なんかない。様々な登場人物の視点で短く語れる描写を積み重ね、全体像の見えない群像劇となっている。複雑なプロットで決して読みやすくはないけれど、作品の魅力で最後まで読ませる。ノワール小説の傑作。2021/08/15

クリママ

50
「事件関係者の多くが存命中であるため…」という作者のまえがきに戸惑う。福井県海市を舞台にした、中国、朝鮮、ロシアマフィア、それよりも、殉職した警官の復讐を目的とするPと呼ばれる下級警官の地下組織。数ページの登場人物目線の物語が繰り返され、時系列も飛んでいる。東京で起きた事件から海市での過去の事件の解明へと進んでいくが、中盤にきてやっとパズルが嵌ったかのように思うものの、いや、違うかもしれない… それぞれに恨み、哀しみがあり、行動があり、筋も真相もなかなか見えない。でも、熱いハードボイルド。切なく、痺れる。2020/07/01

harass

17
ロシア朝鮮中国の難民が住みつき治安の悪化した北陸の街、海市。警察内のクーデター組織が上層部を暗殺した。警察内部での権力闘争と因縁のある登場人物たちの暗躍を描いた作品。 ある種のハードボイルド警察ものだ。設定的にポリティカルフィクションでもある。 硬質な文体と聞いて手に入れた。たしかに文体は乾ききっていてケレン味がない。雰囲気はまさにノワールもの。 この作家は初めて知ったのだがすでに亡くなっていた。2011/11/24

可憐咲き

6
★★★★★ 5点満点 最初の1、2ページで打海ワールドに引き込まれる!欲望、裏切り、悔恨、熱狂、暴力、破滅、淫靡、復讐、人のダークネスな部分がドロドロのシチューのように詰まった1冊。一人の男の完璧かつ欲望と自己満足に、まわりの者が振り回されていく感じが素敵。やっぱり打海氏の作品、いいわ〜!ただし、この本を読み終えた後、夜の街に出ることは、オススメしません!何かを、ぶっ放してしまうかも・・・。2013/05/18

syachi

4
早く寝ようと思ってたのに思わず夜更かし。福井県の架空のマフィアやらなんやらの勢力が非常に強い街で、ついに切れたピラミッドの下の方の警察官がマフィアにテロ返しする秘密組織があったりするカオスな空間。そこに警視庁や警察庁の刑事がとあるきっかけで介入し…といったところで裏で絵を描いているのが誰かとか、ハードなバイオレンスやらで非常に濃厚で先が気になる楽しさがあった。ただオチがちょっと物足りなさを。2015/09/02

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