出版社内容情報
公に解決できない事件を金で請け負い恨みを晴らす小悪党一味たち。暗闇に潜むあやかしたちを描きながら、人の心の奥底をあぶり出す、傑作妖怪時代小説。
内容説明
道を通せば角が立つ。倫を外せば深みに嵌る。そっと通るは裏の径―妖怪遣い・又市一味暗躍す!裏の渡世人、又市一味再登場。待望のシリーズ第二弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
91
シリーズ第2弾とはいえ、前作とは全く雰囲気が異なりました。百介を語り手として又市一味の物語が成立している。その中で描かれる人の世に籠る闇の感情を物の怪の妖の姿に重ねていく美しさはたまりません。勧善懲悪というより、妖しき深みにはまるような感覚でした。連作短編でありながら連作短編でない味わいがあります。2017/07/12
藤月はな(灯れ松明の火)
47
再読。この巻から百介が分かる範囲のみで小悪党達の因果が語られる。それが『了巷説百物語』にて補完されるとは初読時は全く、予想だにしなかったよ・・・。とはいえ、その当時は在命だった人達の名前が出るだけで遣る瀬無いやら切ないやらで目頭が熱くなる。その為か、胸が悪くなるような因果がぎっちりです。特に「死神 或は七人みさき」の樫村さんは悔やんでいたけど、元凶は前々城主、義虎だと私は思う。正直に言うと、人に負い目を着せて子世代にも葛根を遺した時点で桐壺帝や江楓眠よりも父親というのも烏滸がましい碌でなしだとしか思えぬ!2025/05/14
猫ぴょん
34
☆再読☆ シリーズ第二弾♪ 登場人物それぞれの過去がツライんだよね。 事件が繋がって行くにつれて闇がどんどん深くなって。 悲しくてやりきれない。 途中から登場の東雲右近の人生がこれまた酷くてツライ。 闇の決着に胸が痛くなったよ~(泣) ✨✨✨✨✨ 2024年7月21日 何回読んでも読み飽きない✨ やっぱり治平が好き😍 右近も好き〜😍 いやホント読み返したら止まらない🤣 裏の世界の決着が悲しいし 傍観するしか出来ない百介もまた切ない。 2021/08/23
onasu
27
京極さんの著作には縁がなかったというか、怪異話しはこれまで読みたいジャンルとはしてこなかったが、宮部さんの「三島屋百物語」を読んでからかな。それでも、好みとまでいかないけど。 続巷説とある通り、続編で且つ、ろうそくは消すのではなく、語り手がろうそく問屋の若隠居で、怪談奇談を蒐集しているてな設定。前編の旅で怪異現象を装うことを生業とした無宿人たちと出会い、それからというもの、何かというと彼らとの関わりが生じるという奇妙な百物語。 設定や雰囲気はおもしろいけど、終盤の凄惨な長い話しには、やや辟易でした。2017/05/15
二分五厘
25
『巷説百物語』の隙間を埋めるお話の体裁をとりつつ、全てがクライマックスの中編『死神 或は七人みさき』へと繋がる。一藩全てを巻き込んだ陰鬱陰惨な事件に、豪快で無理矢理な始末をつける又市「済んだのです」。闇の世界を覗き見ながらも、昼の世界で名を成してしまった百介。妖怪(ばけもの)遣いの無宿人・又市一味と、世間に顔向けできる程度のろくでなし戯作者。両者の間にある越えようとしても越えられぬ溝。『老人火』の最後の百介の寂寥感は、先に『後巷説…』を読んでしまった分、余計に感じられる気がする。2019/06/20
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