内容説明
夏休みに入って間もないある朝、陽射しが容赦なくふりそそぐ学園のグラウンドで生徒の死体が発見された。自殺?他殺?あるいは呪いが発動されたのか?そしてこの現実にはどんな意味が?『いま』を生きる17歳の揺らめきと輝き、才能溢れる高校生たちの立てた仮説がついにあぶり出す“解”とは?『読者を選ぶ』ともいわれる難解さゆえに賛否が大きく分かれること必至の、野心的、小説の冒険。
著者等紹介
真木武志[マキタケシ]
1971年富山県生まれ。金沢大卒。サラリーマン生活を経て執筆活動に入り、現在に至る
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感想・レビュー
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雪紫
38
成程、わからん! なんか乾くるみさんの「匣の中」を初めて読んだ時のような感覚(いや暗号はないけど)。事件よりも難解に物を考えたがる高校生達が事件を機に自分や周りを見直し、考えを向けていく青春小説感が強い。とりあえずこの話は丸々一冊が問題編でわたしの読者レベル全然足りなかったわ。くらいしかわからない。なんだかんだで落ち着いたらまた読もうかな。と思う。2020/07/16
シアン
8
(図書館本)正直、よく分からない。物語というより哲学書を読んでいるよう。高校生で、しかも登場人物がだいたい小難しいことを言っているからだと思う。また登場人物の感情が常にフラットなので、読んでいて共感とか感情移入とかがしにくい。難しい、手応えのあるものを求める人にはオススメするが、迂闊に手を出すと後悔するので、心の準備が必要。2015/07/03
ゐづかさん
3
再読。「いま」の調和を乱さないために、この小説は「大きな物語」ではなく、「ささやかで小さな物語」として終わらなければならなかったのではないでしょうか。青春の不器用で痛々しくも瑞々しい優しさが、とても、とても愛おしい作品。2012/12/30
ぱ隹越九朗
2
登場人物たちの書きぶりと彼らの抱えるままならない心の動き、すごく青春ミステリの味がしますねこれ……ミステリ部分については……評価は保留とさせていただけますか……2025/01/13
雙楜
2
別に難しい小説ではなく、「一度書いたことをくどくどと繰り返さない」というスタンスで書いてあるから分かりにくいという印象。(フランス文学とかで、時々、何が起こったか全く分からず読み終わるときと同じ分かりにくさ)状況や登場人物を整理して読めば何も難しくないんだと思う。文体や状況描写は綺麗で、リアリティもある。ただ、情報を分散して出すと「作者には何の不思議もないことが読者には分からなくなる」ということを改めて実感した。その良し悪しは僕はまだ判断してない。2012/05/31