出版社内容情報
ベルは人間の娘でありながら見知らぬ惑星で生まれた。自らのルーツはどこか。ペタンティックな香りのする正統的ファンタジー。
内容説明
自分はどこへ行くのか?都市を支配する神。存在自体が神の法と矛盾するベルを、“理由の少女”と呼ぶ者たちが求めるものとは?ベルの戦いは、ついに王宮を巻き込んで…!生と死、神と都市、定められた運命。自らのルーツを求めて…雄渾な長編ファンタジー小説。
著者等紹介
冲方丁[ウブカタトウ]
1977年2月14日岐阜生まれ。海外生活などを経験し、96年早稲田大学入学。同年第1回スニーカー大賞金賞を「黒い季節」で受賞しデビュー。その後、執筆活動、ゲーム企画製作に携わり、大学中退。本作は執筆に丸2年を要した、受賞第1作である
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スケキヨ
5
壮大すぎるスケールで上巻に続き一気読み。疲労困憊です。前半~中盤の前半までは戦闘シーンとか凄く楽しんで読めました。でもそれから後は・・・正直、情景・心情・エピローグが細かすぎ、丁寧すぎ、説明調すぎでダレダレでした。取りあえず読了出来た事が嬉しいです。この世界観の装丁は天野さんでないとね!2010/01/31
なしかれー
4
…長かった。。凄い達成感。下巻からは冲方文法に慣れてきたのかスピードアップ。SF的な背景なのに、物語はあくまでファンタジーというような世界の描かれ方に少しもやっとした思いが残るのだけれど、肝心なのは世界に自己の存在を問うベルの真摯な想いであるのだと思う。先は長いであろうベルの旅の様子も知りたいものだ。2013/01/12
terataro
4
刻印、楽団、演算、反復と変化、回帰。理を求める一途で真っ直ぐで灼熱の心。読む頁全てに漏れなく、あらゆる分野の極彩色に散りばめられていて冲方氏がここに究極に濃縮されている。ため息しか出ない。八章【NOWHERE】九章【EREHWON】のタイトルセンスに脱帽。そして、旅は始まったばかり。夜明けが光に満ち溢れていた。2012/10/22
源次/びめいだー
3
面白かったです。2024/05/05
myaown
3
根底にあるのは成長過程で誰しもがぶつかる問題、つまり自分自身の存在意義を問う物語。それを扱う物語は数々あれどここまで真正面からそこを問う物語もない様に思う。世界観が複雑なだけにそうしたのか?と思えるほどだ。ヒロイックファンタジー的でもあるのだが、そう読んでしまうとベルの孤独が際立つだけにギネスとベネットに悪いだろうな。誰もがベルに何かを期待しつつも祭り上げない、自分は自分のできることをするだけだというその姿勢が好ましい。群像劇としてもとても楽しめた。下巻は一気読み。力が入っていたらしく本の重さに腕が疲れた2017/04/11