出版社内容情報
若年性アルツハイマーと診断された陶子は、まだ五十歳。大学講師の職を失い、日ごとに記憶が曖昧な時間が長くなっていく……。アルツハイマーを患者の視点から描いた野心作。
内容説明
五十二歳の若さで、アルツハイマー病と診断された陶子。彼女を見守る夫と息子の苦悩―。家族の絆と再生を豊饒な文体で描く力作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
35
アルツハイマーで記憶が途切れ途切れになっていく不安がよく伝わってくる。自分が何かをしてしまったのかどうかもわからなくなる。妻のそんな不安定な状況の時に夫は…。老齢の父の涙が切ないを通り越して苦しくなった。それにしても皮肉なものだなぁと思います。健康と引き換えに家族の絆を取り戻したようで。介護者の疲労も患者の気持ちもたっぷり込められている。もしも自分がアルツハイマーだとわかったら、いったい何をするだろう。消えていく記憶に対してどう向き合えるだろう。残された人間にはずっと様々な思いが積み重なっていく。2011/05/30
nAoo
7
ん〜最後は良かったけど、この話は好きではない。 イヤ〜な気分になった。2013/08/08
ぴょん
1
ストーリーは良かったけれど、文章が好きになれなかった。 2012/02/07
閨
0
登録者数、少ないんですね・・・一昔前の作品で、現在の認知症に対する認識とは少しずれていますが、切実なものがありました。途中、手に汗握るシーンもあり、個人的には久方ぶりに先が気になって、つい読み進めてしまった作品です。語彙も豊饒で素晴らしい作品だと思います。これって究極の恋愛小説ですよ。2016/07/10