出版社内容情報
タクラマカン砂漠に失踪した叔父。彼に導かれるように洞穴に落ち、失踪者の王国の一員になる私。運命の力に揺れ動く、悲しみと希望に満ちた連作小説。
内容説明
息をつめ、震える心で祈り、願えば、小さな奇跡が起きてくる。新しい小川文学の誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫綺
82
文庫本にて読了。読んでてマイナス思考に陥りそう。でも止められないんだな、これが・・・。2014/01/19
深青
25
小説家の「私」を主人公にした連作短編集。もし「私」のモデルは小川さんなのかなと。少し不思議で複雑で、でも綴られる言葉がとても美しい。冒頭部分の描写がとても好きです。2015/11/29
冬木楼 fuyukirou
18
短編7作。表題の「偶然の祝福」という作品は無いので、おやっ、と思いました。7作とも「偶然」はあるけど、「祝福」なんてあったかしら? 主人公が弱い立場の女性な割には”我が強いヒト”と感じるのがいつもの小川洋子ワールドです。 「キリコさんの失敗」が一番おもしろかった。2016/08/28
コトノハ小舟
7
「キリコさんの失敗」が1番好き。お手伝いさんという存在感は、家族の中にあって、風通しのいい絶妙な距離感で寄り添える場所なんだな、と思った。思春期の女の子と秘密を共有できる大人ぶりがステキ、奇跡の様に亡くしものを取り戻してくれる手腕も見事で、一晩で出来上がった手作りリコーダーは魔法の様だし、「その万年筆を私に譲って頂けませんでしょうか」というセリフを言った時の澱みない言い方が聴こえてくる様だった。秘密のオヤツのおわりという展開に、人を恋うるということや人の死を忍ばせてあるところも、さすが小川さん。2025/03/24
まりちゃん
6
図書館本*初めての小川さんの本。何と無くてにとった…。主人公が物書きの設定なのでフィクションのようなノンフィクションの様な不思議な感覚。内容も不思議なものがあり…でも引き込まれて読んでしまった。7つの短編からなるお話で、涙腺水晶結石症が割とお気に入り。2013/10/16