出版社内容情報
日本の無条件降伏にもかかわらずソ連軍は北千島に上陸を開始した。祖国の分割占領を阻止しようと、北方の軍人たちが生還期しがたい抵抗を試みる一方、マニラでは米軍の介入を要請する懸命の外交努力が続けられるが。
内容説明
昭和二十年八月十五日、日本の無条件降伏にもかかわらず、ソ連極東軍司令官は北海道占領作戦を発令した。三日後、ソ連軍は北千島の辺境・占守島に上陸を開始する。島に配備されていたのは、ノモンハン、ミッドウェー、ガダルカナルなどの熾烈な戦場を生き抜いた男たちであった。故郷への帰還に思いをはせていた彼らは、敗戦後の祖国と民族の分断を阻止すべく、再び苛酷な戦いに突入する。一方、マニラでは、マッカーサーを相手に、米国の介入を求める困難な交渉が始まっていた…。太平洋戦争における日本軍最後の戦いに身を挺した人々の壮絶な物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たっけ
1
終戦記念日に図書館でこの本を借りました。太平洋戦争で日本が無条件降伏した後でソ連が北方領土を侵略してきた、という史実を、僕はほんの表面的にしか知らなかったので、この本を読んであらためて驚きました。北海道を割譲するようなことにならず、英霊に深く感謝です。現平和憲法に異論はありませんが、千島列島、樺太、竹島、尖閣諸島など、蛮国の不当な行為に対しては、国際法と日本国憲法のもとで、日本政府は毅然とした対応を示してもらいたいです。海保と自衛隊の方々にはご負担ですが、私達国民は心から敬意と感謝を捧げます。2024/08/21
おふねやぎっちらこ
1
まあ,まあ。8/15終戦とはいえ、その後も戦闘は続いたのね。2002/05/11
ゆき
1
★★★★☆:太平洋戦争が日本の無条件降伏という形で終結した後に、中立条約を一方的に破棄したソヴィエト軍が占守島に上陸し、侵攻を始める。あとがきに「戦史をもとにしたフィクション」とあるが勉強不足で、こういう史実があったことを知らなかったので驚きながら読んだ。淡々とした文章の中にも理不尽な戦闘で命を落としていく兵士達の無念がひしひしと感じられ胸が痛んだ。最後の中島大尉の想いには涙がこぼれた。2013/12/12
(まだない)
0
戦争は終わったはずなのに・・・ 期待度:なし 評価:4.00(4.0点) 日本人が戦争が終わったと思っている「終戦」の8月15日以後に始められた戦闘については、浅田次郎も「終わらない夏」で書いているが、こちらのほうがずっといい。 (2009/09/08読了)2009/09/08
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