内容説明
近未来の横浜ベイブリッジは数多のゴミに溢れていた。その中から発見された少年の死体と一本のカセットテープ。そこには恐るべき内容が…斬新な表現手法と尖った感性が新たな地平を拓く野心的快作。第4回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ペトロトキシン
12
退廃的な世界観。グロい描写は、そういうのを読み慣れてるので、あまり気にならなかった。それよりも役人がこのテープを聞いても何ら心を動かされる事なく、ゴミの問題や捨てられた子供に対してアクションを起こそうとしていないのが、読んでいて気持ち悪かった。原発瓦礫の事が頭に思い浮かんだ。2012/04/04
かごめ
3
壮絶なゴミ捨て場での生活も必死に命を繋げようとする懸命さも所詮は対岸の火事。淡々としすぎなのと近未来とはいえリアリティなさすぎる。テープの再生と同じ時間に読み終わるギミックらしいです。2017/12/05
Noboru Sugiyama
3
緻密な文章で恐怖を表現する宮部みゆきの様な作品を日本刀の切れ味とするなら、のこぎりで斬りつけられたような恐怖がこの作品。2017/11/29
yuck
3
地の文がほとんどない、夢の島のようなゴミ捨て場に捨てられた五歳少年の台詞メインで進む物語。そのせいか読むのに難はなく、1時間足らずで読了。ただ、ちょっと設定のリアリティーは希薄かな。この少年は早々に右足をゴミ捨てに来たトラックにひかれて失ってしまうのだけど、その後の展開で出会う同じように捨てられた少女を「おぶって」移動したり、またその少女を食べさせるたべに自らの左腕を切ったり(歩く為の杖で右手がふさがるので左手ないと何もできなくなる)、年端の行かない幼子がそこまで出来るかなという疑問はずっと残った。2015/10/10
rara
3
短いが凄まじい人生を送った少年の記録 生きるとは… 生きた証とは。2011/10/21
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