内容説明
密室殺人に挑む浪速の司法書士。名うての地上げ屋の不審な死、はたして自殺か殺人か?巨悪はいつも死体の陰に隠れている。地価高騰を鋭くえぐる本格社会派推理。第11回横溝正史賞受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
88
代書屋という設定で、登記について書いてて、詐欺とかそういう話に殺人が絡むのかと思っていたら、トリックが出てきてびっくりでした。そのトリック自体は、現実的すぎて、いまいちだったけど、結構楽しめました。 関西の設定というところがうまいです。軽めの会話が登記という難しい話をやんわりと包んでいるようで、一般の人にもわかりやすくなっているではないでしょうか。 探偵役に対する助手のような存在もいて、キャラ立ちもいい感じでした。 2020/04/23
ジムナスト
1
平成3年刊行だが平成10年の文庫化を読む。地上げに絡む殺人事件と、地上げ屋が関与するの不動産登記の手続きの欠陥(形式的審査主義、反するはドイツの実質的審査主義)を描いた作品。 大阪出身で大阪の風土を嫌う主人公の女性と、従兄の司法書士の組み合わせがコミカルながら最後までスッキリ読みました。 自殺に見せかける手口より、不動産登記の欠陥に興味が湧いた一冊であった。2021/06/05
コマンドー者
1
横溝正史賞受賞作。著者の司法書士の経歴を活かした登記を巡る復讐劇を描いたミステリー。登記のお勉強的側面とツボを得た展開で、デビュー作としてはかなりこなれた仕上がりで、楽しめるが、ミステリーの新人賞受賞作としてはあまりにこじんまりとしているのが長所である短所でもある。2020/09/29
haikarasan
0
読んでいて楽しかった。現在ではあまり起こり得ない個人情報の流出のしかただと思う。でも少し前までは、こんなことも起こり得たのかなと思い、読みながら一緒に謎解きをしていくような参加型のミステリーだった。2015/10/07
shibatay
0
不動産が悲喜劇を生むのはバブル期だけのことじゃない2007/05/05
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- 和書
- 現代国語の演習 1 評論