内容説明
沢田敦子。26歳。小さな出版社を辞め、作詞家のマネージャーとして事務所“パジャマラマ”に勤務してもう3年。業界の水にも慣れた。この世界の人間と接することで得ること、喪くすこと、それも覚えた。そして時を経てみれば、一緒に夢見ていた頃の友達との関係は、次第にかたちを変えてゆく。友情の残滓。形骸だけの慈しみ。素直になるだけ、自分を傷つけてゆく自分がある―。春から秋にかけての7か月に、7人の友達が染め上げる、7つの心の物語。この時代に生きる男と女の微妙な心理と生理とを、鮮かに描き切る、大型新人の記念すべきデビュー作。
目次
第1話 26―美和子
第2話 深海のうろこ―かんな
第3話 114・OLD GRAND・DAD―響子
第4話 芥子―大友
第5話 POISON―真弓
第6話 ザ・ダークサイド・オブ・ザ・ムーン―新一
第7話 秋の日―雅之