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出版社内容情報
山口 幸三郎[ヤマグチ コウザブロウ]
著・文・その他
内容説明
目に見えないモノを“視る”能力を酷使し、倒れた旅人。陽子と灯衣は夜通し看病するが、2人が目覚めた時、旅人の姿は消えていた。陽子たちが心配する中、旅人は感覚を失うきっかけとなった刑事・白石に接触していた。そんな時、白石の息子が誘拐される。それを旅人の仕業だと踏んだ白石は、陽子を連れ去るという暴挙に出て!?果たして探偵・日暮旅人は『愛』に触れることができるのか。灯衣と母親の物語『愛の旅』を含む全4編を収録した、感動のシリーズ完結巻。
著者等紹介
山口幸三郎[ヤマグチコウザブロウ]
1983年5月生まれ。福岡県在住。第15回電撃小説大賞「選考委員奨励賞」を受賞。翌年、受賞作『神のまにまに!』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
76
一部完結?旅人の過去の事件ははっきりして、敵との対決!その旅人の肩には見慣れない鞄が。旅人は誰も許さないけれど、自分にも厳しかった。殺人ではなく、自殺に巻き込もうとする。旅人の父親の事件もユキジの父親との関係も明らかに。旅人は誰を狙うのか?しかし白石は許せない。自分は巻き込まれただけって!ありえない!そして旅人を引き止めたのは、過去のあの子の声だった。ホッとしました。テイの母親の話もとても辛い。素敵な親子はなれたはずなのに。しっかり罪を償ってほしい。しっかり最終巻と書かれてる。何があった?続きます。2019/01/28
吉田あや
72
「死ぬために生きてきた」。視覚以外すべての感覚を失い、大切な人も奪われた旅人が人として生きていく原動力は「復讐」。旅人の悲しみと見てきた世界の暗さは重く苦しい。事情は違えど、人生のすべてに裏切られ、苦しみの中生きてきたテイちゃんのママ。ロストが作られたいきさつや、それにまつわる詳細、それによって狂わされた人達。愛は救いであり、絶望でもある。2ndシーズンでは、辛かった旅人の苦しみが癒えていく姿を見れるといいな。2017/05/04
Ikutan
69
いよいよ、今までの謎や旅人の過去が明らかに。今回は、前回まで大きく拡げた風呂敷をあちらこちらから畳んでいくストーリー展開。これには、ついていくのに頭もフル回転。薬物やヤクザなどの裏社会から警察や政治との癒着などどんどん大きなスケールに。当初の穏やかなストーリーからは想像のつかない内容でしたが、意外な人物との繋がりやハラハラした展開で、きちんと収束。お見事でした。テイちゃんのお母さんと旅人の関係などは最後まで思いもよらない内容だったなぁ。彼の能力は変わらないようで、物語はまだまだ続くみたい。これは楽しみ~。2016/08/30
風里
69
旅人の過去と、それに繋がる過去が一挙に並ぶ。 灯果を責めることは出来ないけれど、それでもどこかひとつでも綻びが出来なかったものか。 陽子先生に救われる旅人にほっとした。2013/06/08
itoko♪
67
シリーズ第4弾。旅人の悲しく壮絶な過去の全容が明らかになる。身勝手な思惑や大人たちの柵に巻き込まれてしまった旅人。でも、この作品はそんな哀しさの中にも、人が人を思いやり愛することで生まれる、小さな奇跡を感じさせてくれる。旅人が失ったもの、それ以上に得たものは きっと少なくはなかった。そう信じたいです。これが最終巻。次のセカンドシーズンも読みたい。2016/12/22