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出版社内容情報
山口 幸三郎[ヤマグチ コウザブロウ]
著・文・その他
内容説明
保育士の山川陽子はある日、保護者の迎えが遅い園児・百代灯衣を自宅まで送り届ける。灯衣の自宅は治安の悪い繁華街にあり、日暮旅人と名乗る灯衣の父親は探し物専門の奇妙な探偵事務所を営んでいた。澄んだ目をした旅人と、人形のように美しい灯衣。名字の違う不思議な親子に興味を惹かれた陽子はたびたび事務所を訪れ、旅人が持つ能力を知ることになる。音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。旅人は、目に見えないモノを“視る”ことで探し物をしているというのだが―。
著者等紹介
山口幸三郎[ヤマグチコウザブロウ]
1983年5月生まれ。福岡県在住。第15回電撃小説大賞“選考委員奨励賞”を受賞。翌年、受賞作『神のまにまに!』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナイスネイチャ
189
五感の内、視覚しか持たない主人公日暮旅人。ただ視覚が逆に発達し色々なものが視る事ができる能力で色々な探し物を視る探偵を生業している。名字の違う娘と娘の通う保育園の先生陽子、探偵のチンピラ助手ユキジとキャラがたってて主人公の影の薄さとマッチしてました。続編に含みを持たせる内容も面白く、思わず続編購入してしまいました!今後どうなる?楽しみです!2016/08/12
sakai
127
[レビュアー大賞課題図書]あらすじに「これは、目に見えないモノを視る力を持った探偵・日暮旅人の『愛』を探す物語。」とあるにも関わらず、1話完結のライトなミステリーだと思い込んでいた自分が恥ずかしい。視覚以外の感覚がない、という旅人の境遇にまだあまりピンとこないからこそ、陽子先生と同じ気持ちで日暮旅人をもっと知りたいと思ってしまうのかもしれない。レビュアー大賞がなかったら恐らく手に取ってなかっただろう作品。本当、自分の感覚はアテにならない。このシリーズ、はまってしまいそう。2016/07/31
おしゃべりメガネ
124
「レビュアー大賞」課題図書作品にて手に取った初読みの作家さんです。ライトノベルなので読みやすいのは間違いなく、スイスイと読み進めていけるのですが、う~ん、私にはちょっと‘ライト’すぎたかなと。主人公の探偵「旅人」は目に見えないモノを‘視る’不思議な能力を持っていますが、なんともその設定が自分にはハマらず、主人公の娘で保育園に通う「テイ」も5歳なのに現実離れしすぎており、変に大人びていて可愛さが伝わりにくく・・・。全体を通してアットホームな雰囲気はあるにはあるのですが、なぜかギクシャクした感じに、残念です。2016/07/21
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
121
五感のうち4つの感覚を失った代わりに、目に見えないモノを『視る』能力を得た日暮旅人。この能力を活かした『探し物探偵』として、さまざまな人の人生に関わっていく。名字が違う娘と暮らす旅人親子に関心を寄せる若い保育士の目に映る彼は、周囲の人々が心配するほどの『いい人』。プロの探偵でありながら、時には無報酬で依頼人の『探し物』を探り出していく。しかし、一方では冷淡さと深い闇を暗示する側面もあって……。重層的な彼の素顔は今後の展開で明らかになるのだろう。キャラクター設定の妙が生み出す切なくてハートフルなストーリー。2016/08/16
しいたけ
103
五感が人にとってどれだけ大切なものなのかを、確かめ、確かめ読みすすめた。五感のうち視覚しか持たない“旅人”。そのかわり、視覚は人が見えないものをみる。他の欠落した感覚の代わりを担うかのように。大きなものを失くした旅人が、人が失くした大切なものを探し出す。親子でもないのに共に暮らす少女との関係。幼い旅人に何が起きたのか。なぜ陽子との繋がりを隠すのか。読み終わり、この本が序章であったことに気づく。物語の最後に、思いもよらぬ狡猾な表情を見せた旅人。ダークな旅人を探しにいきたい。2016/08/20