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内容説明
目を覚ました。巨大な籠の中で。扉には、大きな南京錠が二つ。わたし、閉じこめられてるのか。赤ちゃん用のおもちゃに囲まれて、籠の隅には、仮面をかぶった大男がいた。…これなに?それと、今更だけど、わたし、誰?…そうか。わたし、記憶喪失か。いや、分かってたけどね、本当は。さて。またあの気持ちいい夢に耽溺しよう。さあ、早くわたしに、狂った男の記憶を注入して。ソリッドシチュエーションホラー。
著者等紹介
越前魔太郎[エチゼンマタロウ]
謎の覆面作家。電撃文庫・メディアワークス文庫・講談社ノベルスにて活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そのぼん
17
解ったような解らんような世界観の話・・・。全ては読み終えた今でもあらすじを うまく説明できそうにありません。かなり前衛的な雰囲気の作品でした。2012/07/30
星野流人
12
巨大な籠の中に捕らわれた、記憶喪失の女の子の物語。他の【冥王星O】シリーズとは異なる雰囲気でしたが、個人的にはこの癖のある文体は好みで読みやすかったです。女の子の語り口が軽妙なのと、【彼ら】側の存在である【玩具職人】とのやりとりが剣呑ながらもテンポよく進んでいくのがおもしろかったです。ストーリーが進むに連れて主人公の女の子や、ヤマトに関する謎が明かされていき、最終的な全貌が明かされたときの衝撃はとても大きかったです。読み終えて、なるほど、「トイボックスのT」、そういう意味か……と2020/02/10
カツイチ
6
それなりに面白く読んだ。少女の一人称部分とかかなり好き。なのに、読後感が嫌、後味の悪さが残った。変態とは思わないが、自己完結で後ろ向きな感じ?など深く考える間もなくDに突入してしまい、思ったことは【玩具職人】よりも【楽器職人】が読みたかったかも?ということ。2010/09/30
m-bird
5
面白かった……けど、これは冥王星Oの【彼ら】の設定を借りたスピンオフ作品かなあ……。御影氏の作品とみても、ちょっと滑っている。もっと神栖っぽい感じで書いて欲しかった。やっぱり、ペインのPといい電撃側の作家の人たちは【彼ら】を人間とおんなじに扱い過ぎだよ。愛っていうのが分からないから【窓を作る男】は苦悩してるのに、あっさり理解してるじゃん……。【彼ら】同士で姉妹愛もあるっぽいしさ。2010/10/16
くれも
4
最初は文体の軽さ(ネットスラングの多様等)に辟易しページが進まなかったのだが、半ば辺りから物語に引き込まれていった。「魔界探偵冥王星O」シリーズの一つとして読むと違和を感じてしまうのは、この作品に登場する【彼ら】があまりに人間的であるからだろうか。しかしこのシリーズのテーマである“愛”は伝わってきたように思う。 2018-272018/02/23