内容説明
近年多発する凶悪殺人事件。異常な犯罪が起こるたびに犯罪者の精神傾向が取り沙汰される。しかし、犯人個人の精神分析をするだけで、事件の真相を明らかにすることができるのだろうか。社会を揺るがせた一連の事件を、犯罪心理学と法医学の両面から深層をさぐり、社会的背景、さらには人間の本質に迫る。
目次
第1章 「怨恨」による殺人
第2章 「保身」による殺人
第3章 「異常心理」による殺人
第4章 「性的快楽」による殺人
第5章 「激情」による殺人
第6章 「動機不明」による殺人
著者等紹介
上野正彦[ウエノマサヒコ]
1929年、茨城県生まれ。医学博士。元東京都監察医務院長。54年、東邦医科大学卒業後、日本大学医学部法医学教室に入る。59年、東京都監察医務院監察医になり、84年、同院長に就任。89年、退官。現在は法医学評論家として執筆、テレビ出演など幅広く活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
31
上野さんの著書は好きでほぼ読んでいるので、知っている内容も多く、またいつも以上に言い訳がましく感じる部分があって少しだけ辟易しました(すみません)。自分で「心理学者でないから、」と著書内で何度か言われているので、あえて犯罪心理学として出さなくてもよかったのではないかと思ってしまいました。2017/10/11
中野(racoon)
18
★★★★☆ 「生体反応」って刑事ドラマやニュースでよく聞くけど、生前or死後だけじゃなく刺された順番までわかるとは!当時話題になった殺人事件(バラバラ率高し!)を司法解剖の面から分析している。そして知れば知るほど恐ろしいのが、大阪姉妹殺害事件…。臨機応変な対応が出来、場の雰囲気も読めながら良心や反省が見られない。サイコパスの定義ってなかなか難しいけど、まさにこの犯人ってそうなのでは…。帰ってきたらまず施錠、をしない女性が案外いることにも驚いた。たしかに帰宅してトイレに直行することはあるが、鍵はかけよう。2016/06/16
うさっち
12
元監察医の著者が近年多発する凶悪殺人事件を犯罪心理学と法医学の両面から犯人の心理や事件の真相を読み解く。殺人事件があまりに多いせいか事件名を見てもわからず、犯人の名前や事件内容でやっと思い出せたけど有名な事件ばかり。「酒鬼薔薇聖斗事件」はテレビでコメントしたら、それを見た犯人から新聞社に反論の手紙が届いた話など、かなり興味深かった。2014/04/17
毒兎真暗ミサ【副長】
11
【図書館本・概要】近年起こった不可解な殺人事件。その遺体から考察される作者の推理と犯人の真実について書かれた分析書。6通りに及ぶ殺人動機から、近年話題になった殺人事件を分類、紹介している。【感想】法医学評論家である作者が語る冒頭は、安直でやや興冷めする部分があるのに、中盤から実際の事件のみを淡々と語ることで、その異常性が肌で感じられるほど距離を縮めて伝わる。犯人の特徴、性癖または動機により、殺人方法、死体処理法も異なる。『死体の犯罪心理学』とタイトルは銘打っているが、同書は読み進めるほどに、→2022/02/23
アリス
10
陰惨な殺人事件が起きた。被害者は無残にも40か所以上をめった刺しにされ、大学の男子トイレで息絶えていたという。「犯人は残忍な変質者だ」普通はそう眉を顰めがちだが、著者は「弱者の犯行」であると考察する。本書には12の殺人事件の顛末と、元東京都監察医務院長である著者の見解が述べられている。監察医はどのように死体の損壊状態を分析し、致命傷を特定し、判明した事実を推定材料として加害者の人柄や能力、殺害現場を予測するか。著者の実体験を元に執筆されたものなので、法医学に興味のない方でも臨場感が楽しめるのではないか。2014/02/22
-
- 和書
- 中国嫁日記 〈7〉