電撃文庫<br> 断章のグリム〈9〉なでしこ〈下〉

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電撃文庫
断章のグリム〈9〉なでしこ〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784048674201
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

『―お姉ちゃん』悲嘆と暗闇の中で泣いていた金森梢枝の背後から、突然少女の声が囁かれる。背後の闇から聞こえてきた、小さく、くぐもった、しかし異様にはっきりと聞こえた声。忘れもしない、忘れるわけもない、しかし記憶の中以外ではあってはならない、死んだ妹の、“声”。金森琴里の自殺を発端に、徐々に悪夢が浸触していく海辺の街。だが蒼衣は、ユリと物語の行方が分からぬまま、雪乃を置いて、地元の普通の日常に戻らなくてはいけない。琴里の恋人だった臣と幼馴染みの一真を護るために必死な雪乃。そして悪夢は、雪乃を心配する蒼衣の予想を大きく裏切り、拡散していく―。鬼才が贈る悪夢の幻想新奇譚、第九幕。

著者等紹介

甲田学人[コウダガクト]
1977年、岡山生まれ。津山市出身。二松学舎大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まりも

45
なでしこ後編。この事件における配役もですがまさか同時進行だったという事にも驚きました。読んでいて途中から違和感を感じてはいたけどこの展開は予想できなかった。今回は何と言っても群草さんがかっこよかったです。騎士の中の騎士と言うに相応しい覚悟と決断は見事でした。これから先、一馬がどんな人物になるのかが気になりますね。痛みを伴う救いっていうのがこの作品らしくて好きだな。しかし蒼衣の普通に対する執着心が異常すぎて恐怖を感じますねー。2015/01/20

坂城 弥生

41
なるほどこういう結末か…最悪の悲劇にはならずにすんだのだろうか…2022/03/23

Yobata

27
梢枝の壮絶な死を迎え、臣はこの事件への復讐を覚悟する。それに呼応した雪乃は泡禍が現れるだろう琴里の家へ常駐することに。そこへやってくる花と犬…二つの話がある「なでしこ」。夢見子が予言したなでしこはどちらを表しているのか…?なでしこ後編。グリム完訳版で描かれる壮大な「なでしこ」と原型となった素朴な「なでしこ」の二つが出てきた下巻。死者を象徴し咲き誇る“花”。死人の血肉を生みだしながら襲ってくる“犬”と泡禍を思わせる異形の数々が発生するもイマイチ噛み合わない今回の事件。真相はなんと二つのなでしこの同時進行に→2014/06/27

くろり - しろくろりちよ

22
※ネタバレ注意※アーキタイプの読み解きが見事。なでしこの花そのものが恐怖の対象であり、隣人が死体と暮らしていることに発狂しそうになる…物語の視点を変える方法とモチーフの重ね合わせ、重なる悪夢。明らかにおぞましく幻想的なのに、謎をひも解く楽しさがある。死者と自分を埋葬する<アンデルセンの棺>ここで脱落。救いがない。回を重ねるごとにおぞましく忌まわしくなる結末。雪乃は怪物に憧れ人間味を増し、蒼衣は日常を求めずれていく。解釈、キャラクター、忌わしさともにこれ以上があるのか、と次にも期待してしまう。2012/05/21

柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中

15
世界を救う為に親友を殺す事が出来るか。あやふやな世間の為に自分に関わりのある者を見捨てる事が出来ると言い切る人がいたら、その人とは友人に離れそうもない。でも、きっとそんな人が世界を救うんだろうなぁ…それはそれとして、悪夢が重なり合うパターンは今後も出てきそうでますます酷い悪夢が出てきそうだなぁ…2010/07/03

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