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内容説明
雪が降りそうな冬のある日。雑踏の中で僕はひとりの女の子とすれ違った。銀色の髪の、きれいな少女。なぜか、目が合った僕のことを驚いた顔で見つめていて…。でもそれはたった一度の偶然の出会い。なにも起こることはない、はずだった…。だけど数日後、僕は見知らぬ男女に連れられてその少女と再会する。デジタルツールを使わなければ誰からも知覚されず、誰のことも知覚できない“黄昏の子供たち”と呼ばれる特異な子供たち。少女は新たな進化のカギを秘めたその“黄昏の子供たち”の一人だった。互いに孤独を秘めた少年と少女が出会う、せつなく温かい物語。
著者等紹介
有沢まみず[アリサワマミズ]
昭和51年生まれ。『インフィニティ・ゼロ』で第八回電撃ゲーム小説大賞“銀賞”を頂く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中性色
19
冬が寒くってホントによかった。というわけで、冬の日の少年少女の物語。というか、そっちが強すぎて当の本題を忘れがちという。話としては綺麗に纏まっているので、そういった部分が浮いちゃってるのが懸念なのかな。そういう意味では今後じっくりやれればという意味合いもあったんだろうけど2017/12/29
ささやか@ケチャップマン
11
電子媒体を通してのみ知覚できるはずの新しい人類「黄昏の子」と何故か認識できる主人公との交流。「いぬかみっ!」や「ラッキーチャンス!」という作者のテンション高いコメディを読んでいる身としてはこの静かな本作は意外にも思える。抗いようのない終わりにその過程において争うという結末はきりきりとした静謐があり良かった。ただ、商業上難しいだろうがもっと厚くしてもっと主人公と銀花との交流や、主人公の性格や設定の掘り下げをしてほしかったところではある。2016/09/24
ぶなぶな
10
"黄昏の子供たち"と呼ばれる電子機器を通してしか目に見えない子供の一人である少女・銀花と、彼女を肉眼で認識することができる少年・春道の物語。二人だけの関係、みたいなのがとても好きですね。冬が舞台ですが、温かな空気感の漂う話でした。銀花が少しずつ心を開いていく様子が良かったです。本当はずっと孤独が怖かった銀花に共感する春道も同じく一人ぼっちで、似たもの同士の二人。ずっと一緒にいると誓うシーンが印象的でした。消えゆく少女の運命に抗う決意を見せた所で締められるので続きが読みたいが、出るんですかね…(´・ω・`)2018/05/23
椎名
8
一文一文が短く、直球なのはわざとなのだろうか。落ち着いたというには悲しすぎる、静けさにに包まれた作品だった。その中で、唯一の暖かさを見付け、お互いの存在を補完できた。非常に好みな雰囲気だったのだが、続刊は出ていないようで。勿体ないなあ。これで良かった気もするのは、いつかくる別れを見たくないという甘えかもしれないけれど。2013/08/10
ダクヲス。
8
読了。ヤバい…自分の好みド直球の作品でした。主人公と出会ってから徐々に心を開いていく銀花はとても微笑ましかったです。しかし"黄昏の子供たち"の秘密がわかっていくにつれてとても複雑な気持ちになった…救われないんだろうか。続きそうなあとがきだったんですが出ていないようです。自分で後を想像するのもまた一興と言ったところかな。2013/07/26
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