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内容説明
彩夏が戻ってきた。冬の事件の後遺症で、僕との過去をみんな忘れて―。ぎこちない関係のまま、僕らが昔通りの園芸部の活動を再開した矢先、僕は生徒会長に呼び出される。「園芸部は廃部にするから」廃部の理由である、設立時のうさんくさい経緯を調べていくうちに、四年前の不可解な生徒死亡事件が浮かび上がる。その容疑者は、テツ先輩だった。口を噤み協力を拒否するテツ先輩とニート探偵団を敵に回しアリスと僕は捜査を始める。はたして事件の真相は、そして彩夏と僕の居場所である園芸部の存続は?緊迫のニートティーン・ストーリー、第3弾。
著者等紹介
杉井光[スギイヒカル]
1978年、東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とら
80
「It's the only NEET thing to do.~これがたったひとつの冴えたやりかた~」清々しい締め方。そうだよ、何もかもが元通りにならなくても、ひどい目に遭っても、運が実力のうちだとしても、それでも、生きてる。なんとか自分の足で歩いてきてる。これが自分の神様のメモ帳。だれにも文句は言わせない。でも自分は弱いから、時々崩れかける。けれど、仲間が支えてくれるから、強くなれる。そんなに脆いもんじゃないんだ、と気付いた。アリスとナルミの神様のメモ帳には、お互いの名前が書かれている。ただそれだけ。2012/01/22
よっち
68
彩夏がようやく帰ってきたけれど、記憶は失われたまま。お互い距離を測りかねていた彩夏と鳴海が、新たな関係を再構築するお話でした。そんな状況下で過去の事件をきっかけに成立した園芸部が、生徒会の規約変更で廃部の危機に陥り、その事件に関わっていたテツ先輩が証言を拒否する難しい状況。いろいろな困難に直面した鳴海は、周囲に呆れられ、心配されながらも愚直にぶつかっていくしかなくて、どうにか落ち着くべきところに落ち着いたんでしょうかね。不器用だけれど確かな信頼が感じられた、鳴海とアリス含めた周囲との関係も良かったです。 2014/05/08
まりも
61
彩夏が帰ってきたものの彼女は記憶を失っておりそんな彼女との距離感を掴めないまま日々を過ごすナルミ。今回は新しい関係を作り直す為に園芸部という場所を守る回。テツ先輩も関わっていた事件の真相を探る中で先輩とボクシングで決着をつけるという賢くない手段はナルミらしいですね。すべてが終わればまた元通りの関係になれるニートの仲間を持ったナルミが羨ましいです。元通りではないけどこれからの良いスタートを切れる場所に落ち着いて良かった。2014/06/19
くろり - しろくろりちよ
45
三冊目。テツの過去と、奇跡的に意識が戻ったものの僕との思い出を全て無くしてしまった彩夏。テツとの直接対決と、勝つためにはどんな情報であろうとそれが必要な限り利用する。相変わらずの主人公の無鉄砲ぶりにはいい意味で呆れました。でもちょっと中だるみ…という気も。アリスのツンデレ発揮でキャラ読み傾向になって来てるのと、ミステリとしては前巻よりは落ちるかも。2011/09/01
オセロ
43
【KU】まだ3巻ですが、ダントツで面白かったですね。 降って湧いたような園芸部をはじめとした少人数の部活の廃止案。その中心人物・生徒会長の羽屋野薫子の頑なな意思、テツ先輩もかつて所属していた園芸部に起きた悲劇、その裏でかつての部員たちが守りたかったもの…。全てが一本で繋がるストーリーは素晴らしく、普段は何も出来なくて可愛いだけのアリスの死者の言葉を伝える言葉は重いけれど、アリスにも何かありそうな気が…2024/10/17