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内容説明
死者の口から事実を聞き、事故の有無を探る調査員。彼らは亡き者の想いに耳を傾け、願いを叶えていく。死者を優しく“向こう”へ送るために。駆け出しの調査員、託実もその一人。かつて世話になった女性の霊を送ることができず、いまだに悔やんでいる。彼は“よき”調査員になるべく一歩一歩進んで行こうとする。残してしまった者への懺悔、逝かなければならない自分への哀惜。死者の秘められた願いを受け止めながら。不器用で、そして優しい送り屋の物語。
著者等紹介
御堂彰彦[オドウアキヒコ]
第7回電撃ゲーム小説大賞“選考委員奨励賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっか
52
えー!!第3章で、まさかの、そして切なすぎる真実が判明。思い返せば、あれもそれも。伏線は多々あったのにまったく気づかなかった…第1章、第2章はふむふむと普通に読んでいたのですが、すべてがここに繋がるための布石だったんですね。第3章は家族の話なこともあり、ずっとウルウルが止まりませんでした。綺麗にまとまった印象。続編はないのかー。まだまだダメダメな主人公がどう成長していくのか、もう少し読んでみたかったです。2018/08/13
はつばあば
42
なんと!うっかり見逃していました。そうなんですか昇天するって難しい感情なんですね。送る人・・葬儀屋さんの本も先日読ませて貰いましたが、心を込めて見送ってくれる人が家族以外にもいてくれるって有り難いですね。コロナで今亡くなる方が増えてきていますが、自分は関係ないなどと思わず自粛して頂きたいものです。自粛せず自由を満喫された方には不服はないでしょうが・・2020/04/27
いーたん
31
『俺はあいつらの唯一無二の存在になりたい。でも・・・』自分も妻と2人の娘を持つ立場です。寺島先輩の気持ちは分かります。分かりますが、もし、自分が寺島先輩の立場だったら、そんな風に思えるのか。。。時々、もし自分が死んだら残された家族はどうなるのだろう?と考えたりもします。事故?病気?自然現象?自殺?他殺?何が起きるか分かりませんから。。。その時、自分は未練を残してこの世に留まるのだろうか?それとも。。。いろんな想像をしてしまいす。だからこそ、どんな最期が訪れようとも寺島先輩のように生・逝きたいと思いました。2014/09/30
たこやき
9
短編の形だけど実質長編。霊と会話ができるが、しかし、そのことを関係者に知られてはならない。その理由は? 霊は、この世に未練を抱いている存在。しかし、同じように生者もまた……。思い出を大切にするのは良い。しかし、時として、それは霊にも、そして、生者にも足かせになってしまう……。物語、さらには作中の仕掛けなどを通して、そんなメッセージが一貫しており、その上での綺麗なまとめ。お見事。2015/06/06
シュナ
8
最後の寺島先輩の話は、いい話でした。カッコ良すぎです(笑)。寺島先輩や上司、指導係など、周りには優しくも厳しい人たちに囲まれている主人公が羨ましくおもいました。2014/10/31