- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > ティーンズ・ファンタジー
- > 電撃文庫
内容説明
二〇一九年八月。地球上の、いくつかの都市部に、人類が初めて接触する地球外有機生命体が複数落下した。のちに“サードアイ”と呼ばれるその球体は、接触した人間たちに、現代科学では解明できない“力”を与えた。ある者には、音さえ追い越す“速さ”を。ある者には、鋼さえ断ち切る“刃”を。そしてある者には、万物を噛み千切る“歯”を。十七歳の少年、空木ミノルもその中の一人だった。彼がただ一つ望み、そして得た能力。それは“孤独”。絶対的な孤独を実現するその“力”は、しかしミノルを望まぬ戦いに巻き込んでいく。平凡だが平穏な義姉との暮らし。そのひとときが壊されるとき、ミノルは絶対なる“孤独者”として覚醒する―!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
122
シンプルな設定の話だけれども展開といい描写といい手練れていて読ませる。敵役の心理描写など実に上手いし、ちゃんと主人公のトラウマと対になっているのがまた憎い。こういうのがあってこそ対決が燃える。徹底的に押しまくるアクションシーンもまた良し。こういう陰性でダークなムードの作品とは思わなかったがこれはこれで味がある。昔流行った伝奇バイオレンスに近い雰囲気でどこか懐かしい。今回は序章で本題は次巻のようだがこの後向きな考え方の主人公が如何に変化していくのか次はどんな敵がでてくるのか続刊に興味は尽きない。2014/06/12
Yobata
73
記憶をできるだけ作りたくなく,なくしたい空木ミノルは他人と関わらないように生活していた。彼は三ヶ月前、地球外生命体「サードアイ」に騒動し、ある能力に目覚めていた。彼が願ったのは“孤独”。しかし望みも虚しく、彼はある事件に巻き込まれる…。SAO,AWの川原礫先生の新作。ジャンルは異能バトルものかな?自らが抱える過去,トラウマが具現化した能力で戦う。若干AWのメタルカラーと被ってるけど、こっちの方がそのトラウマが実際に操る能力になるのでリアル。さらにSAO,AWなどのゲーム内ではなく戦闘が現実に行われるので→2014/06/10
水無月冬弥
72
川原礫先生(@kunori)の #ラノベ 主人公が超絶ネガティブなのが凄いですね、といっても完全に情を捨てきれないのが……またいい! 自分の性格、嗜好が異能になるので、どんな酷い敵が現れるのか楽しみですね、バイターもかなり素敵な性格だったし、次巻も楽しみです! 2014/07/03
異世界西郷さん
48
誰からも忘れられて孤独になりたいと願う少年が異能の力を手に入れたことで、平穏な日常が壊されていくお話。川原礫先生の新作ということで購読。めっちゃ面白かったです。清々しいまでの異能バトルでした。自分が、あまり異能バトル物を読まないせいか、なかなか新鮮だったように思います。味方だけではなく敵の心理描写も詳しく描いており、感情移入しやすかったです。ただ、表紙の女の子があまり出てこなかったのは少し残念ですね。2巻が出れば活躍するのでしょうか。このままでは典江さんがヒロインになってしまいそうです。2014/06/20
METHIE
45
「これは寧ろグルメ小説だ」そう思いながら読んでいたが、お話としてはジェットとルビー、善と悪というありきたりの題材だが敵側の描写、勿論主人公の描き方も丁寧、結構なハードSF。 最後の決算がさいたまスーパーアリーナなのが特撮オマージュ。2014/06/19