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内容説明
石橋を叩いても渡らない心配性の高校生・中崎夕也はある夜、七不思議を司る精霊・テンコと出会う。深夜の校庭に桜が舞い散る中、宙に浮かぶ袴姿の彼女は、高らかに不吉な言葉を彼に投げかけるのだった。「おめでとう、お主はこの学校の新しい七不思議に選ばれた」なんと彼は七不思議の引き継ぎに、仮登録されてしまったのだ!生きながらも七不思議の一つとなった少年の日々を綴った、思わずもう一度読み返したくなるミステリアス・ファンタジー。第20回電撃小説大賞金賞受賞作。
著者等紹介
小川晴央[オガワハルオ]
第20回電撃小説大賞“金賞”を受賞。作家デビューを果たす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
た〜
134
【ストーリー重視型】なるほど、たしかに騙された。2014/03/02
Dー
115
タイトルの意味が明かされたときに、この物語はまったく別の物語になった。最近、うたい文句に「読み返したくなる」と書いてある本がよくあるけど…確かに細かい伏線を確かめたくなった。よくできた話だと思ったし、感動もできたのでよかったです。この作者さんの本がでたら読みたいです。2015/05/20
よっち
105
生きたまま学校の七不思議に登録されてしまった中崎君と学校の七不思議の仲間たち、そして中崎君が気にかけている朝倉さんを巡るお話。心配症でちょっと自信がなさげな中崎君でしたが、朝倉さんがピンチになった時には本当に頑張ってましたね。そんな二人の関係性が徐々に変わっていく感じがとても良かったんですが、あまり深く考えずに読んでいたので、バス事故の場面から切り替わったところであれって思いました。それでも切ない終わり方になったわけではなくて、二人が新しい一歩を踏み出して、希望を感じることのできる終わり方は良かったです。2014/03/07
オセロ
96
偶然が重なり、学校の七不思議を司るテンコに新しい七不思議に選ばれた高校生の中崎夕也。戸惑いながらも、七不思議の役目を果たそうとする夕也と自由奔放なテンコとの掛け合いも面白かったですけど、今作の最大の魅力はそこじゃないんですよね。 巧みな叙述トリックによって隠された夕也の秘密がクラスメイトの朝倉香穂との恋愛模様を通じて徐々に違和感が生まれていって、終盤で明かされる真実は衝撃的でしたけどテンコの優しさを感じられるもので。そして切ないけれど、どこか前向きになれる結末は控え目に言って最高でした。2023/08/08
(●▲●)とらうまん(*^◯^*)
80
【★★★★☆】読了して、このタイトルに心から納得。 主人公の心配病ぶりにイラつきながら読んでてハズレかもという不安にかられながらも、ガマンして読み続けた結果としては帯にあるように上手いこと仕掛けに騙されたのでよかったです。 終盤の急展開と共に浮かびあがる中崎くんと朝倉さんの物語の真実……残酷ながらもそれぞれの人生に希望が芽生えはじめるラストは切なくもあたたかい。 章ごとの交互視点形式と些細な違和感、何気なく見える構成が重要な伏線だったりというのはライトノベルらしさを残したミステリの王道ですね。2014/08/15