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出版社内容情報
“零のマリア”を取り戻すため、宿敵“O”の世界で、孤独な戦いを続ける一輝。そして結末がやってくる……“箱”を巡る、少年と少女の物語、感動のフィナーレ。
内容説明
「さあ、最後の対決だ。星野一輝くん」“O”は手を広げる。一輝をはっきりと見据え、その美しくも醜悪な顔を歪める。「出来損ないの世界で幸せに過ごすといい」星野一輝の無謀で孤独な闘いは続く。“ゼロのマリア”を取り戻すために。“O”が創り上げたこの世界は、あの時の“箱”と同じだ。3月2日という中途半端な時期に来た転校生から始まった“繰り返し”を司る箱。―マリア。僕は、箱に囚われた君を必ず取り戻す。そして、結末がやってくる…。シリーズ完結巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゼロ
43
最終巻。前回から2年5ヶ月振りなのもあり、内容は朧げになってはいましたが一輝とマリアの絆だけは覚えていました。さて、最後なのもあってか、一輝の狂気と執念は常軌を逸しているのが目立ちました。かけがえのない日常を取り戻すため、自殺を繰り返し周りの人間を殺し続ける人間が主人公であってはならない。一人のヒロインを救うため、出来損ないの幸せである1日をぶっ壊す心理描写には共感はできない。物語としてもあっと驚かせる展開はなく、力技で結末まで導いていました。ただそれでも、最後まで飽きさせることなく楽しめた作品でした。2015/07/15
まりも
37
堂々完結。箱に囚われたマリアを取り戻す為に一輝は一人孤独と絶望と戦い続ける…な話。もうね、最高でした。「拒絶する教室」と同じような舞台で描かれる狂気と愛、そしてこれまでの全てを凝縮した展開の数々は圧巻の一言。シリーズ最後の相手としてマリアと戦う所から始まり、星野麻理亜で締めくくるラストは胸にグッときますね。大きな絶望を乗り越えて、日常を取り戻した2人の未来はきっと素晴らしいものになるんだろうな。各キャラのその後も知る事が出来たし、最終巻に相応しい大団円を見せてくれた1冊でした。この作品に出合えて良かった。2015/06/13
晦夢
13
完結。ほんと素晴らしいな。一輝は孤独な繰り返しの中、マリアを取り戻すため戦い続ける。執念。終わりのないループって怖い。下手に記憶保持しちゃうと恐ろしいな。マリアの過去、麻理亜と彩矢の関係も明らかになる。そして一輝の思いがついにマリアに届く。一輝の思いの強さはほんとに凄い。全てを切り捨てただマリアだけを求める。それぞれがそれぞれ行く道を見つけるそんなラストは良かった。ほんと素晴らしい作品だった。お疲れ様でした。2015/06/15
薄荷飴
11
期間が空きすぎて話の内容が頭から飛んでいましたがそのまま読了しました。登場人物の自我さえ砕く狂気に満ちた描写はなかなかほかのラノベではできることではないので新鮮に思うと同時に、どういう結末になるのかも気になって仕方ありませんでした。狂気の果てのエンディングはそれまでとは打って変わった雰囲気で意外にも穏やかな読後感が得られました。中途半端に書いては新たに作品を書く作者の悪癖には閉口するものの、次回作が楽しみです。2015/06/29
石束鳳碩
10
最後の最後に一番の狂気を持ってきた完結巻。果てなき絶望の過程が丁寧に書かれすぎていてあまり集中して読み過ぎると主人公の狂気に引っ張られて気分が悪くなります。諦めてもそこで終わりではなく、望む結末になるまでループが延々と続きループから脱却するために大切な人を殺し尽くすとかそりゃあ廃人になりますわな。エピローグはこれまでの各キャラ一人一人描いてくれた点が非常に良かったと思える納得のラストでした。文句なしにおもしろかったです。暫くラノベ書かない宣言は潔くも残念。2015/06/16