内容説明
俳諧とは唱和応酬の文学であり、あらゆるこわばりと不器用を排除して拈華微笑の世界を開くもの。現代俳句に失われたその心と方法とを芭蕉・蕪村らの作品に探り、豊醇な詩の現場を再現する。示唆と助言に満ちた俳諧論集。
目次
「あそび」について
高館―『奥の細道』叙説
凩の風狂―『冬の日』叙説
俳諧の連衆
生活の俳諧
月・雪・雲
「人声や」「この道や」
季題論序説―芭蕉の季題観について
芭蕉
乱世の連歌師たち
芭蕉の詩心―奥の細道の発句に沿って
「軽み」の論―序説
漂泊と思郷と―「山家ノケシキ」について
影法師考
余呉の海、路通、芭蕉
俳画における芭蕉と蕪村
蕪村の画と俳意
「晋我追悼曲」一考
終りの旅―終焉まで
『猿蓑』初時雨の巻〔ほか〕