出版社内容情報
あなたのお隣は大丈夫?
「へんてこな人」に巻き込まれた人間の戸惑いを描くショートショート。家の匂いを嗅いで等級をつける「ホムリエ」に惚れられた家の住人は? あらゆるものに「以前」が気になる男など、異能・原ワールドの魅力全開!
世に宇宙人はたくさんいるが、隣人ほどの宇宙人は、そういない。──松尾スズキ(作家、演出家、俳優)
内容説明
奇妙なこだわりに固執する人間に振り回される周囲の戸惑いを描く、シニカルなユーモア溢れるショートショート集。家の匂いを嗅いで価値を鑑定する“ホムリエ”に惚れられた家の住人、あらゆるものの“以前”が気になる男に詰め寄られる若者、純粋に穴を掘りたくて仕方ない男など、「へんてこ」な人間が引き起こす騒動の顛末とは?ほか、普段は口に出せないような悪趣味な自慢話を聞く男の悲哀を描く「自慢結社」を収録。
著者等紹介
原宏一[ハラコウイチ]
1954年、長野県生まれ、茨城県育ち。早稲田大学卒業後、コピーライターを経て、97年、『かつどん協議会』でデビュー。2007年、鋭い風刺とユーモアで書いた『床下仙人』が書店員の熱烈な支持を得てブレイク、ベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
44
奇天烈な発想のオンパレード、ショートショートのつるべ打ち、案外に男ってこういった理屈にふんふんとなるが、例えば“スポーツのせいだ”の息子の屁理屈に丸め込まれてしまったお父さんに対して、最後のお母さんみたいに“だから骨の一本でも折ってきなさい…”といって息子の頭をぽかりとやるシーンを見せられると、アチャ~と思ってしまうのだ。こりゃ作者の掌の上で遊ばされていると、あくまでもほら話なんだけど笑いながらもいつしか真面目に受け取ってしまう自分に気づかされてしまって、こんなとき読書って面白いな~ってつくづく感じるよね2014/06/20
takaC
24
気分転換に最適なショートショート。いずれ蔵書に加えよう。2011/02/05
ひでちん
14
原先生のある意味では十八番的な作品かな?? 最初の[きかれる男]だが、私の友人にモデルかというぐらいの人物が居るので共感した。 その友人と一緒に出掛けると‥‥本当に道やら近隣の施設やら電車の乗換やらを老若男女関係無く聞かれまくるので‥(笑) 一度「こいつは本物やわ‥‥」と感心したのが、その子含む友人達と海外旅行(香港)に行った時に、件(くだん)のその子が欧米人とおぼしき夫婦に「地下鉄の乗り口は何処か??(←無論英語で聞かれてた)」と尋ねられていて、私含め友人一同大笑いした事を思い出した。2021/08/23
たらこりっぷ
13
こんなことを考えてショートショートを書いている原さんが一番へんてこです。原さんのへんてこぶりにはいつも笑わせられ、その次に考えさせられます。今回は話が本当に短いので、後ろから頭をパコーンとはたかれるような気分になったり、うぷっと吹き出しそうになったり、リアクションが大変でした。電車で読んでいる私の姿も、実はへんてこだったかも。2012/10/25
Te Quitor
9
さらっとしてるので、だらけながら読むのに丁度いい「へんてこ」ショートショート集。感想もさらっと書こう。「キャラが妙で、いい味だしてるな」。2012/04/05