ロールシャッハの鮫

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  • サイズ B6判/ページ数 511p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784047916388
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

エリック・サンダーソンは目を覚ました。だが自分が何者で、どこにいるのか、まったく思い出すことができない。失われた記憶の手がかりは、今は亡き恋人クリオとの日々を綴った日記だけ。真実を知るというドクター・フィドーラスを探すべく、エリックは気むずかしい愛猫イアンとともに出発する―サイコ・サスペンス×サイバーパンク×ラブ・ストーリーのかつてない融合。UK発、小説の最新進化形。世界30ヵ国を席巻した驚愕のデビュー作。

著者等紹介

ホール,スティーヴン[ホール,スティーヴン][Hall,Steven]
1975年イギリス・マンチェスター生まれ。写真家のアシスタント、私立探偵などの職を経た後、ファインアートを学ぶ。短編をいくつか発表し、2007年、『ロールシャッハの鮫』で長編デビュー。Borders Original Voices Award、サマセット・モーム賞を受賞。世界30カ国以上で刊行され、映画化も進行中。現在、ガールフレンドとともにプレストンに在住

池田真紀子[イケダマキコ]
1966年東京生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田氏

16
『紙葉の家』を娯楽的にした感がある、という触れ込みに惹かれて読んでみた。思っていた以上にエンタメだった。記憶を失った主人公の前に現れる敵、ヒロインとのメイク・ラブとすれ違い、クライマックスに至るまで、アメリカンエンターテイメントムービーばりに、観客の期待通りに進行する。怪しい日本語、日本人名が出てきたときのキル・ビル感よ。まあ、英国なんですけどねこれ。ともあれ「純概念的サメ」なるアイデア、それ自体は何杯でもご飯が食えるくらい好み。ただその食材の味付けのターゲットから自分はすこし外れてしまったようではある。2020/01/12

しまうま

7
タイトルに「鮫」がある、という理由だけで手にとって読んでみた。 もう僕からすればその時点で、自分採点では80点を超えてしまうので、「それ以上何の説明があるでしょうか!」とわめきちらしたい気持ちをぐっとこらえるくらいしかやることがないなと思っていたのだけど、読んでみて逆に反省させられた。 とても素敵で濃密な文章で、前述のような不純な理由で読み始めてしまった自分を恥じた。読み終えて真っ先に思い出したのは『半島に出よ』(村上龍・新潮社)だった。 2015/07/27

いきもの

4
謳い文句的に軽めのサイバーパンクかと思いきや、どちらかと言えばエンタメ翻訳純文学よりなSF。断章や暗号、タイポグラフィ。サイバーパンクと言えばサイバーパンクな面もあるけど、ガジェット的には言語SF寄り。期待値が低かったので予想外に面白かった。2022/08/06

猫のゆり

3
最初サイコスリラー的な小難しい話なのかと身構えながら読んでいたのだけど、そんなことはなく、あまり考えなくても楽しめる完全なエンタメ作品だった。個人的には地下(アン・スペース)を2人と1匹の猫で辿っていく場面がツボでした。書店の棚から入り、図書館の地下書庫で・・紙と古い書物で出来た迷路、と。あとエリックとスカウトの会話などに光るものがあり、言葉に対する感覚が研ぎ澄まされてる感じがした。ラストはかなりな衝撃で・・でも、恋愛の寓話としては完結してるのかなと思った。いろいろと面白かった。2011/02/04

はにまる

2
先月はノンフィクションばかり読んでいたので、今月はどっぷりフィクションに浸かりたかったのだが、本書はそんな気分にうってつけの作品だった。寓意が実体化する物語というあたり、なんか村上春樹っぽいなと思って読んでいたら、いきなり村上春樹の引用が出て来てびっくりした。なんと海外の村上チルドレンだったのか。他にもボルヘス、カーヴァー、カルヴィーノの引用が。自分はこういうフィクションのごった煮的な作品は大好きなので、かなり楽しめた2018/03/19

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