内容説明
アントワーヌは18歳にして感じていた。子供の人生は大人の人生の縮図であり、もう人生すべての要素は体験したと。そして貯金を解約し、墓地と墓石を買った。彼は今、35歳。老人養護施設「ハッピーデイズ」で暮らしている。職員としてではなく、りっぱな入居者として。そんなアントワーヌが体験する、施設での老人との日々。末期がん患者ミレイユとの出逢い。死を目の前にしながら生にしがみつく老女の姿に、アントワーヌが見出したものは―。生に飽きた若者と、生にしがみつく老女が織り成す、ささやかな愛と幸せの物語。
著者等紹介
グラフ,ローラン[グラフ,ローラン][Graff,Laurent]
1968年生まれ。フランスで注目の若手文芸作家。淡々と乾いた語り口のなかに、独特のアイロニーと哀愁を醸し出す作風で人気が高い。著書『ハッピーデイズ』が口コミで広がり世界各国で翻訳、一躍人気を博す。またジョニー・デップが自らのプロダクションで映画化することを決定。現在も精力的に物語を紡いでいる
工藤妙子[クドウタエコ]
1974年生まれ。慶應義塾大学文学部文学科仏文学専攻卒。仏文翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
最終バック九番手
1
原著は2001年刊行…モームのサナトリウムシリーズと同じような設定だが直視すべきなのだがなるべく考えまいとして目をそらしていることへの罪悪感みたいなものがあぶりだされてきて読んでいるうちに心がザワザワしてくる…初版発行:2008年1月31日…本体1500円2010/11/12
hama_ml
0
外国の、ミニシアター系の映画を観ているような、そんな静かな本でした。 主人公の達観した人生観には共感しにくいものがあるけれど、時代の流れに流されて、ずーっとのんびり生きてそうだなーと思います。2014/09/21
ゆうこ
0
読んでる途中は重みというか、深さに気づけなかったのですが、読み終わってから、考えさせられました。2010/03/03