内容説明
旧約聖書に描かれるサムソンのエピソードは、ペリシテ人の支配からイスラエルを救った神の子の、英雄の物語として読まれてきた。人間の不妊の女から生まれ、ライオンを素手で引き裂く怪力を持ち、ペリシテ人の手に落ちるも、最期は自らの命と引き換えに敵を滅ぼした男。しかしその物語は数々の疑問と矛盾に満ちている。なぜ神の使いは母親の前にあらわれたのか?なぜサムソンは敵の女を求めたのか?なぜライオンを引き裂いたことを黙っていたのか?なぜ罠だと知りながら、自らの秘密を女に告げたのか?著者グロスマンは、謎解きをしながら、物語を紡ぎ直す。そして英雄と称された男の、実は孤独で哀しい魂の物語を浮かび上がらせる―まるで映画のような、鮮やかさで。イスラエルの国民的作家が、自国の英雄譚を潔く、見事な論考でとらえ絶賛された、斬新な聖書の「物語」。
著者等紹介
グロスマン,デイヴィッド[グロスマン,デイヴィッド][Grossman,David]
1954年、イスラエル、エルサレム生まれ。ヘブライ大学で哲学と演劇を学び、卒業後イスラエル放送局(コール・イスラエル)で番組制作に25年間携わる。82年に児童書『決闘』でデビュー、ゼヴ賞を受賞。翌年、短編集『走る人』、長編『子羊の微笑』で文壇に新風を起こす。『内なる文法書』『ジグザグする子たち』『ぼくのナイフになってくれ』や多くの児童書、絵本シリーズなどを執筆、多彩な活動をしている。辛口で秀逸な政治的なエッセイはイスラエルの良心として、イスラエル国内のみならず、各国で支持されている
母袋夏生[モタイナツウ]
ヘブライ大学文学部修士課程ディプロマ・コース修了。出版社勤務ののち、ヘブライ文学翻訳に専念(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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