内容説明
素直でやんちゃな乞食のトムと、利発で思いやりあふれるエドワード王子。二人が出会い、たわむれに入れ替わると瓜二つ。本物の王子は乞食として追い払われ、乞食は王子として宮殿で生活する羽目に。運命のいたずらが、少年たちに、大人たちにもたらしたものは―。子供の姿を通して幸福の根源を描きつづけた、マーク・トウェインの代表的傑作。
著者等紹介
トウェイン,マーク[トウェイン,マーク][Twain,Mark]
1835年、アメリカ・ミズーリ州の小村フロリダで、開拓者の第六子として生まれる。植字工、水先案内、鉱山探鉱、新聞記者などの職を転々とし、1865年『ジム・スマイリーと彼の跳ね蛙』を発表、ユーモア作家として一躍脚光を浴びる。以後、作家・講演者として活躍。『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリ・フィンの冒険』をはじめ、『アーサー王宮廷のコネティカット・ヤンキー』『不思議な少年第44号』『マーク・トウェインのジャンヌ・ダルク』『人間とは何か』など幅広い小説・エッセイを執筆。児童文学の先駆者として、世界中にその名を馳せた。1910年、狭心症のため74歳で死去
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感想・レビュー
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keroppi
75
【マーク・トウェイン誕生日読書会’20(11月16日~11月30日)】話自体は知っているが、ちゃんと読んだのは初めて。こんなに長い話だとは知らなかった。王子と乞食が入れ替わることによって炙り出されてくる権力側と貧困層の実態。事実を経験することにより、王子も乞食も、より豊かで慈悲深い人物となっていく。貧困を経験した王が、重臣に投げかける言葉「その方は、苦しみや抑圧について何を知っておろう?余と余の臣民は、知っておる。だが、その方は知っておらぬのだ」今の政治家たちに伝えたい。挿絵も多く読み応えのある本だった。2020/11/25
鏡也
10
読みごたえのある本でした!挿絵が多いので、ページ数の割に苦じゃなかった。この本、子供の頃に出会いたかったw2017/10/22
viola
9
『ハックルベリー・フィンの冒険』よりもこちらのほうが好きかも。挿絵にこだわり、初版を再現したものです。500ページ超えとかなり厚いんですが・・・その分厚くなってるような。王子と乞食が入れ替わっちゃった!!といストーリー。全然知らなかったけど、ヘンリー八世の息子エドワードが完全にモデル(名前からしてエドワード王子)となっており、史実もかなり含まれている。皮肉も結構多かったり・・・かなり楽しめました。 どことなく、マーク・トウェインっていうよりディケンズっぽいような気が。2010/02/20
いこたす
8
慈悲の心▶︎王宮の生活に憧れる貧民の子と何不自由無い生活を送り、生まれながらにして王となる事が約束された子。2人はひょんな事から接触し服を交換したことで入れ替わる▶︎一見何不自由ない王宮の生活も、息苦しいしきたりがあって大変だった。しかし風当たりの強い世間に放り出された王子の苦難が物語のメイン▶︎先王が決めた不条理な法律に触れ、時に捕まり、悪意に晒されて王子は痛みを感じ取れるようになる▶︎実在した夭逝の王、エドワード6世をモチーフに作られた示唆を多く含む児童書。扉絵がとてもカッコ良い!2018/02/03
春
7
NHK朝ドラで主人公が翻訳してるって本。図書館で返却本のところにあったのでなんとなく読んでみました。こちらは初版本に掲載されていた挿し絵がそのまま収録されているとの事。子供の頃読んだ記憶を新鮮に上書きできて楽しめた。児童書の翻訳なのでもちろん読みやすい。しかし奥深さも感じる楽しい読書となった。2014/07/02