内容説明
老人は語る。朗々と歌い上げる民謡に想いを込めて、時には笑い、時には涙を流しながら、自らの過去を語る。地主の放蕩息子はバクチに身を滅ぼし、親を亡くし、国民党軍に徴用される。飢えと戦闘の中で命を取り留めながら、解放軍の捕虜となり、ようやく家に戻れば降りかかる数々の病苦と災難…。その苦しみは想像をはるかに超えて苛刻だった。しかし、その人生を語る老人の姿は魅了されるほどに潔い。四十数年の時を経た今、老人が口ずさむ歌には、生き続けることの意味が重く響いている―。中国で二十万部を超えるベストセラーとなり、香港、台湾に続いて欧州各国で翻訳出版。世界的名匠、張芸謀監督により見事に映画化された。今もっとも高い評価を得ている現代中国の作家、余華の傑作、待望の本邦初訳。
著者等紹介
余華[ユイホア]
1960年4月3日、杭州生まれ。医者の両親の勧めで、町の診療所の歯科医となるが性に合わず、1983年より文芸創作を始める。1987年に発表した『十八歳の旅立ち』が出世作、その後『四月三日の事件』(87年)『世事は煙の如し』(88年)など続々と中篇小説を執筆。伝統的なリアリズムの枠組みを打ち壊した手法の新しさと実験性から、「先鋒派」と呼ばれた。長篇第一作『雨に呼ぶ声』(91年)に続いて、92年に『活きる』を完成。「先鋒文学への反逆」と言われる本書は新たな読者を獲得してベストセラーとなった。台湾と香港での刊行後、フランス、オランダ、イタリア、ドイツ、韓国でも翻訳出版されている。1998年、グランザネ・カブール文学賞(伊)を受賞
飯塚容[イイズカユトリ]
1954年、札幌生まれ。専門は中国現代文学、演劇。東京都立大学大学院修了。現在、中央大学文学部教授
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