出版社内容情報
ボルティモアの美しい鉄道駅を描いた38枚のイラストと、それにまつわる物語をたどるうち、小さな街にある様々な人生と、ひとつの悲劇が蘇る。積み上げられた過去の、日常にあるミステリを結び合わせた空想の旅。
内容説明
姉の恋人であり、わたしのまたいとこでもあったラッセルが死んだ。鉄道マニアだったラッセルが、鉄道事故で死んだ。そしてラッセルが撮りつづけた鉄道写真集だけが残った。古い鉄道写真集から喚起される一族の物語は、古きよきアメリカの魅惑的な美しい景色を背景に、過去から現在へと、時間と場所を交差させながら進む記憶の旅へとわれわれをいざなう。ヴァージニアの老朽化した鉄道とともに生きた血族の歴史を描くレイルロード・ノヴェル。
著者等紹介
フラナガン,マイケル[Flanagan,Michael]
1943年、メリーランド州ボルティモア生まれ。メリーランド&ペンシルヴェニア鉄道の線路から数ブロックのところに住んでいた。1981年にニューヨークで初の個展を開いて以来、国内外の美術館や画廊に絵やスケッチを発表している。ニューヨーク在住
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感想・レビュー
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tom
14
東江翻訳のベスト本の中の一冊。この本を挙げたサイトには、「絵と言葉が、チェロの調べのように、深く、懐かしく、心の奥底を揺さぶる」という訳者あとがきの名文に付け加える言葉なし、というコメント。東江さんの翻訳は、本当に上質。作者の書こうとするものを、どういう文体で翻訳したら現すことができるのかを追求した人と思える。この本自体が名著かどうかは、よく分からないけれど、作者の想いは伝わるし、文体の心地よさ、特に最後の頁の文章、なんともよろしかったのです。2019/06/16
慧
0
★★1/22000/12/26