出版社内容情報
厳重な警備下にある女王陛下の列車で起きた殺人、冷たい海底で熱射病で死んだダイバー。不可解で矛盾に満ちた事件の数々を近代物理学を駆使して見事に解き明かす。近代科学とミステリの幸福な融合。“考える”小説。
内容説明
厳重な警備下にある王室の列車で起きた殺人事件、冷たい海底で熱射病にかかって死んだダイバー、帝王切開で生まれた双子の遺産相続問題…。一体誰がこんな不合理な事態をおさめられるのだろう?こんな時には、この男、シャーロック・ホームズにご登場願うしかない。もちろん有能な助手ワトスン君以下、コナン・ドイルおなじみのキャラクターたちも一緒だ。彼らは、ベイカー街で起こる不可解で矛盾に満ちた事件の数々を近代物理学の諸法則を駆使して、見事に解き明かしてくれるだろう。そして読者の皆さんは知らず知らずのうちに科学を学んでしまうのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぽま
6
短編連作のパスティーシュ形式。物理・科学の理論を用いて、シャーロック・ホームズが事件解決に挑む。恐らく、理系に強ければ強いほど楽しめる内容かと思われる。コナン・ドイルの他の創作キャラクター・チャレンジャー教授やマイクロフトを解説者として噛ませていたり、正典ネタも含んでいたりと、読み物としても面白い。思考実験の場面が多いが、現実的に考えると首をかしげたくなるような前提条件での試行の場合、間髪を入れずに聞き手のキャラクター(大半はワトスン)が代わりに突っ込みを入れてくれるのが、一服の清涼剤かも。2012/11/06
フジタ
2
お話として読むには科学の解説が多く、科学の入門書として読むには各々の説明が回りくどかったり不足だったりするような印象。予備知識が求められる割りには、予備知識のある人には目新しくないという微妙な線の難解さでした。同作者の次の作品「まただまされたな、ワトスン君」の方が、数学や経済学を扱っている分、わかりやすく楽しく読めるかと思います。2014/05/23
まる
1
地動説から特殊相対論や量子論までをからめた事件に遭遇するホームズたち。 科学に強くない人にもおすすめできる本。数学アレルギーなワトスンくんがついてますよ。 個人的にホームズの兄マイクロフトが活躍していてぐっときた。2013/08/18
みしな
0
理系が全く専門外な自分はなんのことだかさっぱりわからない箇所もあったので、想像力またはある程度の知識があるひとの方が理解できるかなと。 でもワトスンくんとホームズのやりとりや原典の取り入れ方などは思わずほほえんでしまったし、パスティーシュとして純粋に楽しめます。
fumi
0
物理に明るければもっと楽しめるのかもしれない。2012/08/31
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