内容説明
釣り師の心は古今洋の東西を問わず同じである。魚たちの気まぐれに翻弄され、知恵をしぼって竿を振る。草木鳥獣の囁きに心を奪われ、虫たちの舞踏に目を凝らす。釣り師たちは、しばし、水辺の思索者になるのだ。英国釣り文学の真随。
目次
第1章 釣り人
第2章 釣りと人生
第3章 水辺の四季
第4章 釣り人の四季
第5章 ノスタルジア
第6章 牧歌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぱせり
8
アーサー・ランサム、ケネス・グレアム、ウィリアム・ワーズワース・・・皆さん、釣り人でしたか。釣りは全然できない私だけれど、熱っぽく蘊蓄を語る通人たちが微笑ましいと思う。読んだ覚えのある一節も、ちっとも興味のわかないマニアックな話さえも、四季おりおりの自然を背景に、聞いていれば、ゆったり贅沢な時間を過ごしている気分になります。2010/07/14
ロピケ
4
スポーツとしての釣りを楽しむ人もいれば、自然の中に身を置くことも楽しめる人(このタイプの人が多く登場)もいる。川辺の描写が魅力的に描かれているけれど、木の種類に疎いので、頭の中になかなか思い描けないのが悔しい。その点、魚はイラストが付いていて、「これを狙っていたのか~。」と和まされた。ジャムの空き瓶に入れたガジョン、綺麗だろうなあ。子供だったら、絶対飛び上るほど嬉しいだろうなあ。一番心に残ったのは、釣りのテーマからは外れてはいるが、「老人とカワウソ」だった。何でわざわざ仕掛けを使って釣るのかがやっと分かっ2010/08/28