内容説明
一九四七年、イスラエル建国の前夜、死海に臨むクムランの洞窟で、「死海文書」が二千年の封印を解かれて発見された。それから半世紀、謎に満ちた「死海文書」の一巻がエルサレムの博物館から何者かに盗み出され、文書の元の持ち主である大主教がロレーヌの十字架に磔にされて発見された。考古学の世界的権威であるダビッド・コーヘンはイスラエル諜報部に所属する旧友の訪問をうけた。息子アリー・コーヘンとともに古文書の捜索をして欲しいというのだ。失われた古文書を求めて旅立った二人は、イスラエルの砂漠からロンドン、パリ、ニューヨークへと鍵を握る人物に接触する。ところが一人また一人と古文書に近づくものはことごとく磔の犠牲になっていくのだ。ヴァチカンやローマ教皇聖書委員会までもが、血眼になって文書を探している。いったい誰の仕業なのか、そこまで隠されようとされる文書にはいったなにが書かれているのか。神学、言語学、記号論、神秘主義に精通した若き哲学教授が衝撃的に発表した神学冒険小説。そして、「クムラン」は、誰にも予想できない結末へと向かっていく…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サラン
1
難しい!! 宗教の背景がわかっていないと、理解できないかも。2013/02/13
kambashig
0
死海文書をめぐる神学ミステリー。最後まで、なぜその文書に書かれた内容が殺人の理由になるのかわからなかったキリスト教のことがある程度わかっていないとダメらしい。2015/01/15
雅夫
0
死海文書2014/09/08
えー。
0
なんかものすごい衝撃を受けた。理由はわからないが、面白かった。再読しよう。
よっちゃん
0
宗教論、民族論、戦争論、古文書學、考古学の蘊蓄が盛りだくさん。宗教そのもののミステリー性を徹底的にエンタテイメントに仕立て上げている大衆性。まさに今日ただいまの世紀末とキリスト誕生前後の世紀末をだぶらせていかにも起こり得そうな不気味なSF的現実感にぞっとします。ミステリー、ホラー、SFの要素をミックスし、理路整然と現代の普遍的精神構造を解き明かしている点でも珍しい、知的好奇心を高揚させる傑作です。 2003/03/17
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