内容説明
中国生まれる異母姉クワンに押し切られるように、アメリカ育ちのオリヴィアは別れを決意した夫と三人で、姉の故郷中国の地を踏む。それは、中国人とアメリカ人のハーフである自らのルーツをたどる旅であり、さらに永い時を遡る旅でもあった。幼い頃から姉に聞かされていた、一八六四年の中国に起きた悲劇―動乱の時代を生きた片目の山賊の少女とアメリカ人ミス・バナーの友情と波乱の人生―が蘇り、過去と現在、すべての運命を結びつける出来事が待ち受けていた…。
感想・レビュー
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あこあこ
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【図書館本】アメリカ生まれの中国人とのハーフ、オリビアは父親の死後引き取ることになった12歳年上の異母姉クワンに愛情と共に疎ましさも感じている。クワンは死者と話すことができる陰の目を持っているという。太平天国の乱の時代のクワンの前世の話を子供の頃から聞かされてきたオリビアは、荒唐無稽な話しに反発しながらも深く影響を受けている。そして今、離婚の危機を迎えたオリビアとサイモン夫婦は取材という名目で、クワンと共にクワンの故郷を尋ねることになる。そこでクワンの語ってきた前世と現在が結びついていく。(続く)2012/11/10