内容説明
満開の桜の中に埋まるように建つ洋館―桜館。W大の同僚の大島に誘われ、館を訪れた教授・神代宗と医者の辰野は、不思議な気持ちに囚われた。大島は館に住む縁戚関係の3人の老女を「魔女」と呼んで恐れ嫌い、彼女たちはまさしく老獪な振る舞いを見せたのだ。やがて花見の宴が始まったが、それは過去をなぞり、まるで大島の記憶を呼び覚ますようなものだった。魔女たちはなぜこの宴を開いたのか?直後、謎の不審者の影が現れ、40年前の宴とそれにまつわる大島の一族を巡る因縁が浮かび上がった…!(表題作より)。神代の亡き母への追憶を描いた「花の形見に」を含む、“建築探偵”番外編にして巧緻なトリックが光る、シリーズ第2弾。