内容説明
満開の桜の中に埋まるように建つ洋館―桜館。W大の同僚の大島に誘われ、館を訪れた教授・神代宗と医者の辰野は、不思議な気持ちに囚われた。大島は館に住む縁戚関係の3人の老女を「魔女」と呼んで恐れ嫌い、彼女たちはまさしく老獪な振る舞いを見せたのだ。やがて花見の宴が始まったが、それは過去をなぞり、まるで大島の記憶を呼び覚ますようなものだった。魔女たちはなぜこの宴を開いたのか?直後、謎の不審者の影が現れ、40年前の宴とそれにまつわる大島の一族を巡る因縁が浮かび上がった…!(表題作より)。神代の亡き母への追憶を描いた「花の形見に」を含む、“建築探偵”番外編にして巧緻なトリックが光る、シリーズ第2弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チカチカ
6
再読。風信子の家の続編。縁戚関係のある魔女のような老女に招待され40年ぶりに桜館を訪れる同僚に付き添った神代と辰野。はっきり言って「鬱陶しいことこの上ない」。亡き母への追憶を描いた「花の形見に」は好みのタイプ。沙弥さんほど竹を割らなくてもいいけど(笑)、お江戸の下町ってこんな感じなのかな?2014/01/16
てくてく
5
「桜の園」と二重写しの印象を受ける部分もある、人生の終わりに向けての真実探し。神代教授が狂言回しっぽいところが楽しかった。2017/09/10
みどり
4
再読のはずが、覚えていない。だが、桜井京介シリーズを覚えているので、今さらながらに腑に落ちる点があったり。 3人姉妹は強烈なのに、なぜ覚えていられなかったのか、くらいに、最近ボケ老人と化している。 20年ぶりくらいに、蒼の背景を思い出したりして、不思議な感覚だった。2021/12/02
ryu
2
建築探偵シリーズスピンオフ第2弾。建築を遠景に置き、人間関係の愛憎がもたらす事件(殺人とは限らない)を描く手腕は健在です。本編は終わってしまいましたが、こういう形で続いてほしいかな。2011/05/13
Keiko Miura
1
やっと積読解消。べらんめえな神代せんせー、よい。いつもの三人にもちゃんと会えた!2019.1382019/12/07