内容説明
時は天文二十一年。世は群雄が覇を競う戦国乱世の真っ只中である。その中を行く僧形の男があった。その名は随風。後に徳川家康の懐刀として重用された黒衣の宰相・天海上人の若き日の姿である。この年、十七歳の随風は比叡山を目指す旅路で光秀、信長、秀吉らと運命的な出会いを果たす。知らず知らず戦国の世に巻き込まれていく中、平和を希い、経世の志を強くしてゆく随風。その道を模索するため、彼は戦国の英傑たちの間を渡り歩き始めるのであった…。戦国の動乱すべてを見聞きした随風が目にした歴史の真実とは!?秀吉を後の成功に導いた知られざる意外な出自とは?信長と光秀を結んでいたある女性とは?ミステリの名手が新しい視点で戦国最大の謎に迫る野心的な歴史大作。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身、現在は軽井沢に在住。1980年『死者の木霊』を自費出版し、作家としてデビュー。1982年に浅見光彦がはじめて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。以来、全国を旅して日本人の心の琴線に触れるミステリーを書き続けている。2008年3月、第11回日本ミステリー文学大賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。