内容説明
イコンに描かれていたのは聖人“カシアン”。カシアンは聖人に列せられながらも、心に強い憎しみを秘める人間に取り憑き、その者の欲望を満たす力を与える魔物だと信じられているという。その伝説ゆえ、長きにわたって封じられていたのだ。超人的な逃走を続けるロシア人との奇妙な符合に不安を覚えながら、遂に犯人を追い詰める大塚だが、同僚を殺され自らも重傷を負ってしまう。犯人はいったい何者なのか?大塚は命をかけて真実を突き止める決意を固め、心の奥底に澱んでいた過去の傷と向き合いながら行方を追う。向かった先は東京。憎しみ渦巻く魔物の理想郷へ―。
著者等紹介
大沢在昌[オオサワアリマサ]
1956年、名古屋生まれ。79年『感傷の街角』で小説推理新人賞を受賞後デビュー。86年『深夜曲馬団』で日本冒険小説協会最優秀短編賞を、91年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、94年『無間人形 新宿鮫4』で直木賞、04年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ねぎまぐろ
1
★★★2017/07/30
いっみ
0
魔物退治どうなるかドキドキしながら読みました♪先が気になって一気に読みました♪2015/03/01
あきぴー@武蔵国
0
新宿鮫のようなハードボイルを期待していたのだが、オカルトチックな所は少し期待はずれだった。 大塚麻薬取締官のトラウマがもう少しましなものであれば、面白くなったのにね。 ★★★★☆2010/08/09
よしだ まさし
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大沢在昌『魔物(下)』角川書店を読了。 長年、イコン(聖人画)に封じ込められていた悪霊がよみがえる。その悪霊は、4年に一度、うるう年の2月29日に限って、邪悪な精神を抱えた人間に取り憑くことができるのだった。 その悪霊に取り憑かれた人間は、感情をコントロールする能力を失い、欲望のままに犯罪を繰り返すようになる。 偶然からそのイコンを手に入れたロシア人の殺し屋に取り憑いた悪霊は、麻薬取引のために北海道に上陸し、そこで殺人を繰り返す。あげくのはてに何発もの銃弾を撃ち込まれるが、その最後の瞬間に悪霊は2013/12/24
落狐
0
物語冒頭から「きっと結末はこうならねば」と思っていたとおりの展開に。ただし、結末的には少しふくらみが足りなかったような気がする。新聞連載だったために、駆け足でまとめたためか。2011/01/21