内容説明
タクシードライバーの蛭間正は、ある夜、胸に赤い染みを付けた香月雅代を乗車させた。まもなく彼女は「佐賀県に連れていって…」という言葉と名前入りの50万円の入った封筒を遺して息を引きとってしまった。胸の染みはナイフで刺された痕だったのだ。あわてた蛭間は身元を確認し実家に連絡を入れるが、電話に出た父親は「佐賀まで連れてきてほしい」と懇願する。しかたなく蛭間は、遺体を長持ちに入れ、リアシートに積み込み、佐賀へと車を走らせるが…。凄まじい豪雨、突然の落石、不思議な家、謎の少女、そして襲いくる正体不明の敵―。深夜の車内で、タクシードライバーが出会う不可思議を綴った傑作ホラーサスペンス。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生。青学大卒。10年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞を受賞。04年には作家生活40周年を迎えるとともに日本ミステリー文学大賞を受賞した。社会派推理の頂点として今なお意欲的に作品を発表し続けている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リョコウバト
0
幽霊系の話はそんなに好きじゃないかな。読めないこともないけどわざわざ読むほどでもない。2012/01/07
kent
0
森村氏といえば野生の証明や人間の証明など証明シリーズが有名です。映画でしか接点がなく、あらためて本あまり読んだことないのに気づき手にしてみました。前半は幽霊に好かれたタクシーが東京から九州まで運ぶというもの。あまりに設定に無理があり、展開も雑で発生する事件の必然性が見えない。SFともミステリーともつかない。後半は前半とつながる部分もあるものの一転して殺人事件もの。主人公の存在意義があまり見られず。タクシーとは何なのかって哲学的なことの主張は諸処出てきている一方で、本筋が何を言いたいのかよくわからず。2010/01/02