内容説明
卑弥呼と邪馬台国の研究に生涯を費やした孤高の考古学者・小池拓郎が殺された。小池の死を待っていたかのように、箸墓古墳に隣接するホケノ山古墳では、邪馬台国の重要な手がかりと思われる銅鏡が発見され、考古学界は騒然となる。浅見光彦は、小池が寄宿していた当麻寺の住職から事件解決を依頼され、早春の大和路へ向かった。老考古学者が遺した一通の古い手紙と色褪せた写真―住職の娘で女子大生の有里とともに、古代史揺籃の地に事件を追う浅見は、いつしか時を超えた女たちの妄執に搦め捕られてゆく。それは箸墓古墳に秘められた卑弥呼の呪いなのか…。古代史のロマンを背景に展開する格調高い文芸ミステリー。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
東京都出身、現在は軽井沢に在住。1980年『死者の木霊』を自費出版し、作家としてデビュー。1982年に浅見光彦がはじめて登場する『後鳥羽伝説殺人事件』を上梓。その後、フリーライター・浅見光彦を探偵役とする『平家伝説殺人事件』『軽井沢殺人事件』『怪談の道』『沃野の伝説』『はちまん』など多数の作品を発表し、日本各地の伝説、風土、社会を背景とした叙情性あふれるミステリーで絶大な人気を博している
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感想・レビュー
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おもろい於間抜
5
卑弥呼伝説がヤマト王権につながるという卑弥呼畿内説を裏付ける画文神獣銅鏡が奈良のホケノ山発掘現場から見つかったということから次第にあらわになる半世紀期前の掛け違いの恋模様。日本古代史のロマンが現代にも通じることが納得させられる素敵な物語でした。それは怖い物語でもある。2025/08/28
へたれのけい
4
「軽井沢のせんせ」の本は久し振りです。身分が判明して周囲が、へへぇ~イと頭を下げる、恒例のシーンはもう無いのだなと、少し寂しい思いもしました。2013/07/06
へロム
4
地元なので興味を持って読めた。2012/02/23
げっちゃん
2
内田部長2002/11/12