内容説明
昭和四十九年の年末、異色の小説雑誌が創刊された。その個性的な編集内容は熱烈なファンに支持され、四年半にわたり全五十三冊発行されたが、資金的な面の困難によって、廃刊の道をたどらざるをえなかった探偵専門小説誌「幻影城」。そのユニークな誌面はいまなお、ミステリー・ファンの間で伝説的に語り継がれている。本シリーズは現在の本格ミステリー・ブームのなかで、“幻の雑誌”「幻影城」に掲載された多くの埋もれた作品のなかから、興味深い名作を発掘し、本格ミステリーの神髄を探る。本書、第1集は数々の異色の作家を輩出した「新人賞」に視点をあて再評価の機会をつくるとともに、ひと味違った探偵小説を読者に提供する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅木原
1
連城・泡坂・田中芳樹以外は初読。収録の8作は、滝原満名義の田中文雄を含めてその後活躍した4人と、筆を折った4人に分かれるけど、並べて読んでみると明らかに活躍した4人の作品が作品の魅力と技術において光っていて、なるほどなあと思った。初読の滝原満「さすらい」は謎も何もないうちから平凡な主婦の日常を描いてぐいぐい読ませる筆力と、それがどんどん異様な方向に崩れ落ちていく展開に感嘆。傑作でしょう。他4編はあまり言うことがない。霜月信二郎「炎の結晶」はオチは好きだけどアリバイ崩しは不要だったのでは……。2016/01/11
イタチ
0
新人賞をとった方々の短編集。やっぱり、新人賞だけあってどの話も個性的。一般に売られている推理小説とは何か違って新鮮だった。2013/10/16
てっちゃん
0
1997年10月17日に読了