出版社内容情報
令和■年、発見された一連の有害情報群。
編纂者は不明。
本情報群は、「右園死児報告」を補完する性質を持ち、
その構成は、怪文書、または報告書から散逸した断片的文書によって成り立っている。
この記録群は、ヒト型右園死児「三田倉九」に関連している。
――「久」とは、「九」の同義文字。
すなわち、「永久」「無限」「天」「皇帝」……
尽きることなき概念を内包する。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
47
前作より飛躍的に良い!報告書の羅列は変わらないが、今回は前日譚的な様相。維新後の廃仏毀釈を任じられていた上司と部下。部下の名は三田倉九、そう、前作で鯨の腹から右園死児化して見つかったあの男。日本を異界化する“右園死児”と遭遇し調査を行う過程で上司を失った彼は、否応なく最前線に立たされる事に。あざとく小狡く冷酷な男が孤独に破滅に立ち向かう物語。利害関係で集めた仲間たちと勝ち目の無い戦いに明け暮れる三田倉の心境の変化が苦しくも切ない。伏線の回収も見事だったし、前作の登場人物たちとの再会も善き。(→続)2025/07/26
あられ
8
前の本より読みやすく、わかりやすかった。薄っすらと災厄の輪郭がみえ、どう防ぐか、三田倉九の動きがわかる。これでひと区切り? 四角で囲んだ有害信仰物報告のカタカナが読めません。orz。。。小さすぎる。。。←写真撮って拡大しようとしたがぼやけてしまう。。。棚主一郎太、二郎佐、三琴、四郎か四乃、五郎と続く一族のこともおもしろそう。。。2025/07/27
うさぎや
3
続編というか前日談。三田倉がいかにして右園死児と接触し、それに成り果ててしまったのか……うーんえぐい。2025/07/22
ロンブ・ラージュ
2
前作「右園死児報告」の重要人物でありながら、物語開始時既に人の言葉を失っており何も語ることは無かった三田倉九を主人公とした過去を描くスピンオフである。人だった頃の三田倉は並より優秀な男ではあるが決して人格的に善人ではない。ずるさや浅ましさもある「人間臭い」性格をしている。このシリーズは一貫して『人間讃歌』なのだ。人間臭い三田倉九が、身も心も人外に堕ちるまでの絶望の物語。右園死児↔︎人間の関係は、悪↔︎善ではなく、あくまでも非人間↔︎人間なのだという解釈に確信を得たことで前作の本質にもより迫ることができた。2025/07/23
彼方から
2
前作も非常に面白かったが、今作は一貫して怪異の報告書であり続けるのでより面白く読ませていただきました。2025/07/19
-
- 和書
- 日本のロイヤルファミリー