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出版社内容情報
忘れられないあの人、忘れてはいけないあの歴史、もう一度見つめ直す私の住むこの世界。
見ないふりが上手になってしまった人にこそ触れてほしい、無視しない人生を選ぶことは確かな生きる力を得るということ。
この物語はそんなきっかけをくれます。
紛れもなく自分はこの世界の住人だと心が溶かされる、台湾と沖縄の往復切符。
ーー吉岡里帆(女優)
「あなたのことが、好き。知ってるでしょ、ねえ?」
台湾・台北に住む青年・Jへの届かぬ想いに心を痛める楊洋(ヤンヤン)。台湾にも沖縄にも居場所を見つけられない彼女は、亡き祖母との記憶を手繰り寄せながら、自らの未来を模索する。「私が、私であるために」ーー母国と似た風の中で、彼女は立ち上がる。台湾と沖縄に、絶望と希望に、私とあなたに、手を伸ばす……。
「二二八事件の犠牲者は台湾人だけじゃない。琉球人も確かにここにいたんだ」
歴史と文化を、そして植民地化された悲しみを共有している台湾と琉球。それぞれの歴史と人を見つめることで、楊洋(ヤンヤン)は台湾人としてのアイデンティティを確立していく……。フリースタイル「THE BEST MANGA 2023 このマンガを読め!」第2位&宝島社「このマンガがすごい!2023」オトコ編・第9位ランクイン、『緑の歌 - 収集群風 -』で鮮烈なデビューを飾った高妍(ガオ イェン)が贈る、あなたへの手紙。超厚【234ページ】の第3巻。
●高妍(ガオ イェン)好評既刊
『緑の歌 - 収集群風 -』上・下
●コミックビーム 公式X(Twitter)
@COMIC_BEAM
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
18
「あなたが顔を上げて周りを眺めたら 今日の空の色は本当は青じゃないって気づくかもしれないわね」感情的に対立するのでは見えない空の色があると、前巻で祖母が言った。今巻で楊洋は、青じゃない空の色を知る。『リバーズ・エッジ』『川の流れのように』、そして『バニラ・スカイ』……。漫画や歌や映画が楊洋に気付きをもたらせたように、多くの人との出会いが彼女に発見を導き、少しずつ心を溶かしていく。「人の不安って 時には“未来”からやってくるんだよ……」過ぎ去った過去とまだ来ない未来、その狭間の現在を改めて想う。(つづく)2025/04/20
かふ
17
海を挟んで兄弟のような島の沖縄と台湾。日本の文化にも親しんで沖縄のことも好きになったのに台湾に帰ってしまう楊洋(ヤンヤン)だった。岡崎京子『リバーズ・エッジ』の出し方がいい。多摩川を挟んで彼岸と此岸のコミック。沖縄と台湾の関係に似ているのかもしれない。梅酒作りはそんなに手間がかかるものなのか?沖縄での梅酒には泡盛を入れたいな。文化祭のきらびやかな世界の中にある孤独とか友だちと沖縄の海に行くシーンも良かった。2025/07/05
阿部義彦
13
高妍さんのコミックビームでの連載「隙間」3巻がでました。主人公のヤンは、中国では台湾出身と言う事、両親が無く祖母に育てられた事等で差別による虐めの犠牲になっていたが、交換留学生てしての沖縄での生活では、寮(ロケット)の同僚や大学での美術部での仲間とはすっかり打ち解けて束の間の自由を謳歌しますが、ひと月後には帰国する運命が迫ってます。Jには有難うと今までの関係を精算する様なメッセージを送り疎遠になるが、心の底では諦め切れない様子。岡崎京子の「リバーズ・エッジ」が効果的なアイテムとして登場、あと猫も乞うご期待2025/04/18
ぐっち
11
梅の砂糖漬けを作ったり、パーティ―に参加したり、海に遊びに行ったり、猫を飼ったり。何気ない日常に描き出される気持ち。『リバーズエッジ』懐かしい…。文化は時代も海も越えていく。2025/06/21
コンチャン
7
足りない言葉によってすれ違う気持ちだったり、他者との交流によって埋まっていく溝みたいなものが丁寧な筆致で描かれています。次が最終巻。読んでしまうのが惜しい気もします。2025/06/21