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出版社内容情報
ーー名前を忘れてしまった多聞(たもん)の友達。
話し相手になってと頼んできたのに、
わたしにばかり質問してくるきみにーー…
ずっと会いたかったような……
こんな気持ちになるのは、なんでなんやろう。
★
他の人には見えない、人ならざるものとの会話を楽しむ、妙な大人、“多聞”。
そして、二人の女と暮らしている子、“内日(うつい)さん”と、自分の名前を忘れてしまった不思議な仔、“多聞の友達”。
女性同士の恋愛を友情と呼ばれ、なかったことにされてきた親達と、本当のことをまだ話せないでいる、わたし達。
時代を超え、国境を越え、どこかにいて、どこかにいた、三人だったり四人だったり、恋人だったり家族だったりする、さまざまなセクシュアル・マイノリティの親子達。
人と人が、普通で、時には最悪で、でもハッピーで、退屈でありきたりな毎日の話を、誰にどんなふうに話せばいいのかわからないと思っていた話を、語り合う。
恋愛をする人も、しない人も、わからない人も、決めてしまいたくはない人も、ただ覚えていてほしい、忘れないでほしい、ひと夏の大阪の物語。
●コミックビーム 公式X(Twitter)
@COMIC_BEAM
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
桐一葉
3
学生時代から恋愛することが当たり前、しない方がおかしいって空気をひしひしと感じる周囲(時代?)やったから浮かないように見栄をはっていたことを今も悔いておる。性的な目で見られることに嫌悪感を抱いてるから恋愛したくない、と貫き通せるほど強くもなく、うまくNOが言えないまま大人になってしまったな…と自覚させてくれる下巻やった。どんどんほんまに思ってることを口に出せないばかりか自覚することも埋もれてしまって私はどう思ってるの?と戸惑いがある。口に出せば自分でも、ほんま?って思ってしまったり。出会えて良かった作品。2025/07/19
satoshi
0
自分のことを他社に話せないことのしんどさを、時代を超えた「他者」と共有して連帯していく。確かにいた「誰か」を忘れさせないこと。フィクションが持つエンパワメントの話でもある。とても良かった。2025/06/30
緑虫@漫画
0
★★★★ お化け?が見えるようになった女性がお化け?との対話を通じて自身のセクシャリティ、家族・親子関係を見つめる話。何より絵がいいなあ。輪郭線の色の濃度を細かく変えたり、平面の着色の際に滲んだような効果を使ったりで水彩のような風合いを出してて、一コマ一コマが絵として豊か。作者のTwitterを見る限りデジタル作画っぽいけどこんなんできるんだって驚いた。2025/06/16
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