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出版社内容情報
 埋まらない恋の隙間と、国と国の隙間。政治と民衆の隙間。日々、迷い悩み翻弄されることは多いけれど、生きることの根本の愛おしさを信じる。高妍さんの紡ぐ物語にはいつもそれがある。だから、好きだ。
ーー江口寿史(漫画家/イラストレーター)
「琉球と台湾の歴史って、似てると思うんだ」
留学生として沖縄での暮らしを始めた、台湾人の楊洋(ヤンヤン)。沖縄で生きる人々、そして同じく留学生として日本にやってきた中国人の李謙(リーチェン)や台湾人のワンティンと関わる中で、彼女は自身と他者、母国と沖縄、それぞれのアイデンティティに向き合うことになる。一方、台湾では、楊洋(ヤンヤン)が想いを寄せる青年・Jが、国民投票に向けて活動を活発化させていた。異なる土地でそれぞれが抱える葛藤と希望は、やがて……。
「怒りも悲しみも、全部。行き場のない感情を乱暴に撒き散らしてでも、伝えたい想いがあった、あの頃」
ひまわり学生運動、表現の自由、同性間の婚姻の保障、国民投票。私たちが私たちであり続けるために、私は飛び出す。“怒り”と“愛”を抱きしめて。フリースタイル「THE BEST MANGA 2023 このマンガを読め!」第2位&宝島社「このマンガがすごい!2023」オトコ編・第9位ランクイン、『緑の歌 - 収集群風 -』で鮮烈なデビューを飾った高妍(ガオ・イェン)が“今”に放つ、新境地。超厚【282ページ】の第2巻。
●高妍(ガオ イェン)好評既刊
『緑の歌 - 収集群風 -』上・下
●コミックビーム 公式X(Twitter)
@COMIC_BEAM
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ふう
64
          
            わたしたちは良きにつけ悪しきにつけ、生きている時代からは逃げられません。台湾から沖縄に留学してきた楊も、台湾で起きている問題から目をそらすことができず悩み続けます。加えて沖縄の歴史を知り、さらに大陸から来た青年も何かから逃げたい苦しみがあることを知ります。誰もが埋めがたい隙間を抱えていますが、それぞれの存在を否定せずに描く作者の姿勢がいいなと思いました。楊がこれからの体験でどのように生きる道を見いだしていくのか、楊の強さを信じて楽しみに待ちます。2025/09/29
          
        道楽モン
52
          
            コミックスという表現は今や国際語であり、台湾からも優れた才能が参入。本作は様式に忠実でありつつ、内面描写、歴史とアイデンティティの葛藤、LGBTQ+などが見事に融合し、2巻の時点で名作を予感させる。自己規範で恐縮だが、コミックスの感想を読書メーターに記すのは、作品が優れた文学性を持っていると感じた場合に限る。本作はまさにそれだ。デビュー作『緑の歌』も秀作だったが、本作こそが作家性にあふれた本領発揮といえる。『緑の歌』を見た村上春樹が、自作の装画をこの作者に依頼したという逸話こそ、彼女の可能性の証だろう。2025/04/05
          
        ぐうぐう
23
          
            政治的である前に『隙間』は、人の想いを描いた漫画だ。「楊ちゃんはあの時……怒っていたんでしょ?(略)質問よ 空は青いと思う?」「……うん」「じゃあ もしおばあちゃんが突然「空のどこが青色なのよ!」って怒ったら あなたはどう思うかしら(略)なら……こんな風に冷静に話し合ってみたらどう? あなたが顔を上げて周りを眺めたら 今日の空の色は本当は青じゃないって気づくかもしれないわね」なぜなら政治もまた、人が想い、作り、動かすものだからだ。2025/03/02
          
        かふ
18
          
            沖縄にいて国民投票に参加できない無力さの中で日本人の親友が投票箱を作ってくれたシーンが良かった。その日本人が見返りを求めなければ何をしても自由だという。また最後に台湾の諺を紹介するのもいい。「籠の中で生まれた鳥は、飛ぶことを病気だと思ってしまう」2025/07/02
          
        阿部義彦
16
          
            1巻と2巻をまとめて同日発売という変則的な出版なのですね。3巻以降は今もコミックビームで連載中という事で良いのかな?著者も台湾人で沖縄の美大に留学していたので、楊洋(ヤンヤン)はほぼ作者の分身と思って良いのかな?勿論創作も加えてるでしょまうが。この本を読むまで台湾の事なんて興味も無かったけど、アジアで初めて同性婚を制度化した国家になった事、社会運動の裏には焼身自殺という血塗られた歴史があった事など初めて知ることばかりでした。報道の自由度も腐りきった我が日本など遥かに引き離しているのだろう。続きを待つ。2025/02/14
          
        

              
              

