出版社内容情報
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内容説明
ある日乙女ゲームの断罪される悪役令嬢に転生したエリス。破滅回避のため婚約者のジェラルド王太子や義弟ラルフと仲を深め、周りにも認められるが、前世と同じく事件の犯人だと決めつけられてしまい―。エリスは本当に“悪”なのか?“稀代の悪女”と呼ばれた前世・絵莉朱の足跡を辿りながら悪役令嬢エリスの真の姿を描く、新感覚“悪女”ミステリー!
著者等紹介
小乃マル[オノマル]
京都市出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
尚侍
6
ものすごく面白かった。悪役令嬢に転生したキャラの内面をここまで掘り下げた作品を読んだ記憶がないことに加え、いい意味でネガティブな感情を隠さず、悪女としての苦悩をきちんと描き出しているので、非常に読み応えがありました。転生元のエピソードがあるのも良く、物語が立体的になったことで主人公のそれまでの行動が報われたのには救われた思いでした。これだけの力作であればアナザー目線でも主人公を写し出すことで、もう少し話を膨らませて上下巻くらいの構成で読みたかったですね。それくらい読んでいて引き込まれる作品でした。2024/09/14
なぎ
4
ある乙女ゲームの悪役令嬢に転生したエリス、破滅回避の為に婚約者である王太子や義弟と仲を深めていくが事件に巻き込まれてしまい···。よくある悪役令嬢ものかと思いきや、現世だけではなく前世での出来事にも重きをおきながら主人公・エリスの内面を深く掘り下げていく構成が見事でした。表面だけでは分からなかった彼女の素顔を前世では一部の人が、現世ではたくさんの人々が理解してハッピーエンドに繋がっていくのが良かった。マイの転生前についてはいつか年をとったら世間話のように語り合うのもありなんじゃないかと。2024/10/14
史
3
作者が書きたかったのはおそらく前世の部分であろう。不条理ものを描きたいけどそれはニッチなので(ネット小説の対局に位置する)、しょうがなく異世界で悪役令嬢を混ぜた形かな。空気は電撃文庫とかガガガ文庫とかGA文庫とかの方が近いかね。まあなんというか、若い女性が死ねば盛り上がりますねえって感じもある。女の死は金になりますよ、はい。相性は悪い。2024/10/17
いきもの
0
ふーむ、評価むずい。構成はかなり好きだった。特に前半の、合間に挟まれる前世の描写がスイッチになってピンチと解決が順繰り起きるのは面白い。こういう試みをしようというチャレンジ精神自体が好感。 一方で、この構成のためにか話の進め方に違和感。特に登場人物の思考や行動に無理があって、無理やり「その流れ」に持っていこうとしているように私には感じられてしまった。 文体も雰囲気を出そうとしているのを感じるし、こんな形にしたいという作品への気概は高評価。ただ、もうちょっと洗練されてさえいればなあと。大変に惜しい。2024/09/10